ANAやHISなどから3.5億円の調達、エクスペリサスが海外富裕層向け体験事業を拡大
富裕層向けの高付加価値旅行体験を手がけるエクスペリサスは、京都銀行と京都キャピタルパートナーズが運営するKCAPベンチャー1号ファンド、ANAホールディングスの「ANA未来創造ファンド」、エイチ・アイ・エス(HIS)、ヘリテージ・グローバル・インベストメント・ホールディングスなどから3.5億円の資金調達を実施した。これにより、シリーズAファイナンスでの累計調達額は6.8億円となった。今後、さらなるエクステンションラウンドも予定している。
同社は「日本各地へ、世界中の富裕層を送客する"社会インフラ"を構築する」をミッションに掲げ、神社での文化体験や地域に根差した特別体験などを官民連携で展開してきた。今回の資金調達を通じて、海外マーケティングやIT・人材への投資を強化し、事業規模および競争力の拡大を図る。
出資企業の一つであるANAホールディングスは、日本各地の高付加価値体験を通じた訪日外国人の国内回遊促進に期待を寄せており、自社の航空ネットワークとエクスペリサスの体験コンテンツを連動させることで、国際線・国内線の活用による地域経済の活性化を目指す方針だ。
またHISは、同社の体験企画力と海外富裕層への強い訴求力を高く評価し、自社のグローバルネットワークとの連携による新たな商品造成・販売の拡大に意欲を示している。
京都キャピタルパートナーズは、外国人観光客が集中する京都市中心部に比べ、北部地域などに広がる観光資源への誘客を期待して出資を決定。さらに、グローバル・ブレインは着実な事業実績と今後のスケールアップの可能性を評価し、継続的な経営支援に取り組む構えを見せる。
同社は現在、海外富裕層向け体験商品の開発・販売をはじめ、自治体や企業向けBtoG・BtoB事業にも注力しており、訪日観光の質的転換と地域の観光資源活用による持続可能な観光振興を図っている。今回の出資を機に、さらなるサービス高度化と販路拡大が期待される。