ジェイアイ傷害火災、2024年度海外旅行保険事故を公表 保険利用「21人に1人」医療費6000万円超も

  • 2025年7月15日

 ジェイアイ傷害火災保険は、2024年度の海外旅行保険契約者の事故発生状況を発表した。全体の4.7%(21人に1人)が何らかの事故で保険を利用しており、前年(19人に1人)から若干の改善を示した。新型コロナ関連の保険金支払いが減少したことが主な背景とされる。渡航先ごとに補償内容の傾向に差が見られたが、北米では「治療・救援費用」の保険金支払いが300万円以上の高額医療費用事故が多く見られた。

 補償項目別では、ケガや病気による治療費、医療搬送費用などを含む「治療・救援費用」が全体の約6割を占めた。一方で、「携行品損害」や「旅行事故緊急費用」「旅行キャンセル・旅行中断」などの割合が増加傾向にある。

 地域別の傾向では、北米やアジア・オセアニアでは「治療・救援費用」の占める割合が最も高く、ヨーロッパやアフリカでは「携行品損害」が多く報告された。グアム・サイパンでは、航空機の遅延や預け荷物のトラブルに対応する「旅行事故緊急費用」の比率が高いなど、渡航先によって補償ニーズが大きく異なることが明らかになった。

 高額な医療費が発生した事例としては、アメリカで咽後膿瘍と診断されチャーター機で搬送後、26日間の入院・手術を要したケースがあり、支払保険金は6415万円に上った。他にも脳内出血(5409万円・アメリカ)、心筋梗塞(3293万円・台湾)などの高額費用事故がみられた。

 同社では、医療費の高額な国や地域では、保険の未加入やクレジットカード付帯保険のみでは対応しきれないリスクがあるとして、補償額が無制限のプランなどを選ぶことを推奨している。医療機関で支払い保証が得られない場合、十分な治療が受けられないこともあるため、旅行前の保険選定が安全な旅行実現の鍵となる。