U29の海外旅行、4割「行きたくない」→「お金があっても行かない」は7割に!?令和トラベル調査
金銭的余裕があっても7割は「海外に興味なし」、行かない理由は「特にない」が4割
「行きたくない層」に仮に金銭的余裕が十分あった場合、海外旅行に使いたいかをを聞いたところ、69.5%は「余裕があっても海外に興味がない」と回答。「海外に使いたい」と回答した人は7.1%にとどまった。

海外旅行に行かない理由を聞いた質問では「特に理由はないが、あまり興味がわかない」が40.0%を占めた。次いで「治安や病気、トラブルが心配」が34.0%、「海外旅行は高額で手が出ない」が28.2%となった。
令和トラベル執行役員の大木優紀氏は、「これが若者の特徴。娯楽が多いので海外旅行の優先順位が下がっているのでは」とコメント。さらに「インタビューからは海外旅行をいかない層は国内旅行も行かない」と語り、可処分所得も低いなか、「他者に対する無関心に加え、日常のなかでの閉塞感に対する『諦め』」のようなものもあるのではと指摘した。

一方で「行きたい」層に海外旅行でハードルと感じることを聞いた質問(※複数回答可)では、海外旅行経験者・未経験者で回答が分かれた。経験者の理由は「費用が高くて行けない」が30.7%、次いで「治安やトラブルが心配」(23.3%)、「言語が通じるか不安」(18.8%)となった。一方で未経験者は「為替(円安)や物価上昇が気になる」が98.3%、「治安やトラブルが心配」が90.1%、「費用が高くて行けない」が86.0%となり、全体的に%が高い結果となった。

「行きたい層」はSNSをフル活用、インフルエンサーの影響強く
SNSの利用状況でも「行きたい層」「行きたくない層」で顕著な変化があった。「行きたい」層は他者のSNSの投稿に対し「なんとなく羨ましい気持ちになる」が51.8%、「自分も行ってみたいと感じる」が42.9%となり、SNSから影響を受けている様子が分かる。海外旅行後のSNS投稿について投稿したいか聞いた質問でも「良い写真や動画が取れたら投稿したいと思う」が39.8%、「とてもそう思う(旅の楽しみの一部として、積極的に投稿したい)」が22.7%を占めた。


令和トラベルPR担当の鹿原美奈氏は「SNSが海外旅行に関するプロセスすべてに関与している」とコメント。旅マエにはインフルエンサーの投稿などから「ふわっとした受動的な内容で」行きたい気持ちが生まれ、能動的に旅行先の情報を収集し、旅ナカもSNSのリアルタイム検索などを利用してイベント情報などを収集。旅アトにSNSを通して情報を発信する傾向があるとした。
また、大木氏はSNSがガイドブック化していることも説明。「行きたいお店の投稿をInstagramで保存し、ガイドブックのように使う傾向がある」と話した。
一方で、「行きたくない」層にSNSを投稿の意欲を聞いたところ、「撮ることにも投稿にもあまり関心がない」との回答が20.2%、「SNSへの投稿自体に疲れてしまっている、面倒に感じている」と回答した人は10.9%だった。これを踏まえ、大木氏はSNS疲れの傾向があると説明。さらに「SNSがパーソナライズされているので、使っていても海外旅行関連の投稿が出てこないのでは」とも指摘した。

令和トラベルではこうした調査から「行きたい」「行きたくない」の2パターンのペルソナを設定。「行きたい」派については調査やインタビュー等も踏まえ「都会出身(実家暮らし)」「給与は自分に使える」、「行きたくない」派については「地方出身」「給与は生活費・奨学金へ回す」などの傾向があるという。

次ページ>>>令和トラベルの若者向け対策とは?