海外旅行取扱額が前年比21%増、主要旅行業者の2024年度統計

 観光庁は6日、2024年度(2024年4月~2025年3月)における主要旅行業者43社・グループの旅行取扱状況を公表した。海外旅行およびインバウンドは前年を上回り回復傾向を維持する一方で、国内旅行は前年割れとなり、コロナ前水準にはなお届かない状況が続いている。

 2024年度における海外旅行の総取扱額は1兆2959億円で、前年度比120.9%と大きく伸長した。新型コロナウイルス流行前の2019年度と比較すると73.4%の水準にとどまるが、回復基調が続いている。外国人旅行(インバウンド)は2156億円で、前年比105.0%、2019年度比では96.8%と、コロナ前の水準に近づいている。

 一方、国内旅行は2兆1652億円で、前年を8.1%下回った。2019年度比では84.8%で、コロナ後の需要回復にやや陰りが見える。旅行取扱総額全体では前年比101.2%の3兆6767億円となり、わずかながら前年を上回ったが、依然として2019年度比では81.0%にとどまっている。

 四半期別に見ると、海外旅行は第1四半期が最も好調で前年比144.1%となったが、第4四半期には110.1%まで鈍化した。インバウンドは第4四半期に前年比119.0%とピークを迎え、通年でも堅調に推移した。

 募集型企画旅行でも海外旅行の伸びが顕著で、取扱額は前年比140.0%、人数ベースでは127.1%となった。国内旅行は人数ベースで前年比86.0%と低調だった。

 事業者別の総取扱額では、JTBが1兆3121億円で最も多かった。次いで日本旅行が3606億円、エイチ・アイ・エスが3596億円、阪急交通社が3340億円、KNT-CTホールディングスが3339億円と続き、上位5社で全体の約7割を占めた。