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日本のスキー観光地が記録的インバウンド需要、消費が地域に波及も Visaが旅行者動向を分析

 ビザ・ワールドワイド・ジャパンは10日、日本のスキーシーズンにおけるインバウンド旅行者の動向をVisaNetの決済データから分析し、今シーズンが例年にない活況を呈していたことを明らかにした。円安の追い風もあり、雪質と文化的魅力を併せ持つ日本のスキー観光地が世界的な注目を集めているという。

 Visaの分析によると、2024年11月中旬から2025年2月中旬にかけてのスキーシーズンにおいて、日本の主要スキー観光地への総訪問者数は前年比で約40%増加した。特に訪日旅行者数は約50%増と大きく伸び、訪問者全体の8割を占めた。

 インバウンド需要の拡大は経済面でも顕著で、スキー観光地における消費額は前年比25%増、取引件数は約40%増となった。一方で、旅行者一人当たりの消費額は10%減少し、富裕層・一般層ともに消費行動が慎重になっている様子もうかがえる。ただし、訪日外国人は国内旅行者と比べて1日あたり約4倍の消費を記録しており、地域経済への寄与は大きい。

 観光地別では、ニセコが依然として海外旅行者の人気を集め、海外からのスキー観光客の約半数、消費額の6割を占めた。白馬は35%を引きつけ、消費額の伸び率では30%超と最も高い成長を示した。富良野は国内旅行者に人気があり、訪問者全体の55%を占めたほか、海外からの訪問者数も前年比70%近く増加した。ファミリー層などの受け入れ体制が整っている点が、幅広い支持を得ている。

 また、スキー観光地における決済環境にも変化が見られ、タッチ決済の普及が進んでいる。対面取引のうち、タッチ決済が占める割合は80%を超え、特に海外旅行者は84%と高い利用率を示した。

 注目すべきは、スキー後に国内を周遊する傾向が強まっている点で、訪日スキー旅行者の9割以上がその後、国内の他地域に足を延ばし、平均9日間を過ごしている。スキー後の地域滞在による消費額は前年比で3倍、取引件数は5倍に増加しており、スキーを起点とした広域観光への波及効果が表れているようだ。