アンカレジ観光局、6年ぶり来日プロモーションで四季の魅力訴求 ハワイアン航空はシアトル経由でのルート提案

創立50周年を迎えたアンカレジ観光局は、現地観光関連企業4社とともに6年ぶりに来日し、4月10日に都内で「アラスカ セールスミッション2025–セミナー&ワークショップ」を開催。集まった旅行業界関係者に向けて最新情報を紹介した。観光局からは四季を通じて楽しめるアラスカの多様な魅力が紹介され、ハワイアン航空からは新たに就航する成田〜シアトル線を活用したアクセス提案が行われた。
冒頭で挨拶に立ったアメリカ大使館商務部上席商務官のダニエル・ルー氏は、パンデミック下でもバーチャル施策を継続してきた観光局の取り組みや、日本アラスカ間の観光を促進する旅行会社らに謝意を伝え、続けて「旅行者は、アラスカの素晴らしい自然の美しさと豊かな文化体験に魅了され、この市場はさらに成長する大きな可能性を秘めている」と観光交流の活性化へさらなる期待を示した。
観光局のプレゼンテーションでは、アンカレジが年間を通して楽しめるデスティネーションであることを強調。アラスカ観光協会によると、23年5月~24年4月のアラスカ州外からの訪問者数は約305万人を記録したが、その内、5月~9月の夏季に265万人が訪れており、シーズン毎で変動が大きいのが現状だ。
これに対し観光局は、夏は氷河クルーズ、ハイキング、野生動物ウォッチング、秋は短いながらも美しい紅葉、冬にはファットタイヤバイクや犬ぞり、オーロラ観賞など、季節ごとに異なる魅力があると訴求した。特にオーロラは8月下旬から4月までの長期間観測可能で、市街地からでも鑑賞できる機会があるという。
また、サーモンやハリバットなどのアラスカ産シーフード、クラフトビールといった食の魅力についても言及。会場で提供されたランチには、現地から取り寄せた白樺の樹液から作られる「バーチシロップ」が使用され、参加者は実際に味覚を通じてアラスカの魅力に触れた。
ハワイアン航空、アラスカ航空Gとしての幅広いネットワークを訴求
続いて登壇したハワイアン航空日本地区営業本部部長の伊東智浩氏は、昨年12月のアラスカ航空との統合の背景を説明。統合により同社は、アラスカ航空グループの一員として米国西海岸、主にシアトルをハブとしたグローバル展開を進める方針を示した。
その取り組みの第一弾となるのが、5月13日より就航する成田〜シアトル線。同路線はハワイアン航空の機材を使用し、ビジネス、エクストラコンフォート、エコノミーの3クラス構成。スターリンクの高速Wi-Fiを全クラス無料提供し、快適なネット環境を実現する。
シアトルを経由したアンカレジへの運航スケジュールでは、成田(18:25発)~シアトル(11:40着、13:59発)~アンカレジ(16:34着)。約2時間の乗継で夕方にはアンカレジに到着可能という利便性が強調された。また、ホノルル経由でアラスカにアクセスするルートも選択肢として紹介され、乗り継ぎ時間は長くなるものの「アラスカ航空グループとして、今までになかったようなプランを皆様にご提案できる」と統合による柔軟なネットワークをアピールした。
そのほか現地から駆け付けたアラスカ鉄道は、通年運行でスワードとフェアバンクスを結ぶ旅の中で氷河や野生動物を車窓から楽しめるユニークな体験を訴求。屋外デッキを備えた展望車「ゴールドスター」では、2階建ての2階部分から景観を楽しめるほか、バーも設置されているという。
現地ツアーオペレーターのグレートランド・アドベンチャーズは、90%以上の観測成功率を誇るオーロラツアーや、マタヌスカ氷河ウォークなどのアクティブなツアーを紹介。続けて登壇したアラスカ専門のランドオペレーターA&Pツアーズは、日本語ガイドや防寒具レンタルなどの日本市場に即したサービスを強調するとともに、東京にオフィスを構える同社としての現地との連携体制や柔軟な対応といった強みを発信した。