マイナー・ホテルズ日本市場参入、ロイヤルHDと合弁会社設立 ラグジュアリーホテル21軒展開へ
「ロイヤルホスト」や「天丼てんや」、「リッチモンドホテル」などを手掛けるロイヤルホールディングスが、タイの大手ホテルグループ「マイナー・ホテルズ」のシンガポール子会社MHG INTERNATIONAL HOLDINGと合弁会社を設立することを決定した。訪日外国人旅行者の増加に伴い、アジアを中心とした富裕層の宿泊需要が高まる中、日本市場におけるラグジュアリーホテルの展開を強化する狙いがある。
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新会社名は「ロイヤルマイナーホテルズ」。2025年3月に設立予定で、資本金は1億2000万円。両社が50%ずつ出資し、代表取締役社長にはロイヤルHD執行役員の本山浩平氏、代表取締役副社長にはマイナー・ホテルズCEOのディリップ・ラジャカリア氏が就任する。マイナー・ホテルズは世界58か国で560以上のラグジュアリーホテルやリゾートを運営しており、約3000万人の会員を有する世界最大の独立系ホテルアライアンス「Global Hotel Alliance(GHA)」に加盟している。
ロイヤルマイナーホテルズの事業計画では、2035年までに売上高210億円、21軒のホテル展開を目指しており、日本のラグジュアリー市場における存在感を強める構えだ。
展開ブランド、開業形態は?
今月5日には調印式、及び事業戦略の発表のため記者会見が開催された。合弁会社設立の背景として本山氏は、リッチモンドホテルで宿泊主体型施設の運営をこれまで続けてきた中で、同社はより多様な宿泊需要を確保するべく検討を進めていたことを明かした。特に、日本国内においてはラグジュアリーホテルの数が少ないとの認識を示すとともに、「ラグジュアリー領域のホテル展開はノウハウとブランドがキーになる」との考えから今回の協定に至った。両社は以前から、サラダバー&グリルレストラン「シズラー」ブランドの日本でのフランチャイズ契約・店舗運営を通じて、パートナーシップを築いていた。
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マイナー・ホテルズとしては初の日本市場参入となるが、ディリップ・ラジャカリア氏は今回の取り組みに関して、「ロイヤルHDのネットワークと当社のブランド力を融合することで、国内外のお客様を魅了できる」と話したほか、「インバウンドが拡大しているマクロ環境が今回のビジネスを後押しするだろう」との見解を示した。
発表によると、日本で展開予定のブランドは「Anantara(アナンタラ)」「Avani(アヴァニ)」「Tivoli(チボリ)」。2035年までに展開する21棟における各ブランドの比率は未定だが、開業地域に適したブランドを選定する。
開業を検討するエリアについて本山氏は、訪日需要が期待できる地域、及びリゾートエリアを挙げており、例として、東京、大阪、京都のほか、福岡などの地方都市も候補に入っていると明かした。また、リゾートエリアの候補では、ニセコを挙げた。
加えて、開業形態については新築とリブランド、両方の可能性を考えるとしたものの、主軸はリブランドとなる方針を示した。特に、1軒目の開業はあまり時間を掛けたくないとの考えからリブランドでの開業を予定する。本山氏は会見で、「(リブランドであれば)1~2年での開業が可能」と話している。