訪日外国人消費19年比50%増、東北での決済が大幅拡大-三井住友カードが新レポート発表
三井住友カードは、訪日外国人のクレジットカード消費動向を分析したレポートを発表した。それによると、2024年1月から11月の訪日外国人による決済額は、2019年同期比で50.4%増加し、訪日客数の増加率を上回る好調な伸びを見せた。特にホテルや飲食業といったコト消費が成長を牽引しており、決済地域別では19年比では東北が、23年比では中部が顕著な伸びを示した。
訪日外国人の消費は、コロナの規制緩和や円安を背景に2023年から急速に回復しており、2024年も成長基調が続いている。中でも関東と近畿は引き続き決済額の規模が大きい一方、東北では山形や福島を含む県が高い伸び率を記録。千葉や京都では宿泊や飲食関連が好調で、愛知では百貨店での消費が大きく成長している。
また、国別ではアメリカや台湾、韓国の存在感が増し、特にシンガポールは2019年の構成比1.6%から2024年には4.3%に拡大した。中国人観光客の消費が緩やかに回復する中、紅葉シーズンの10月と11月にはアメリカが消費額で中国を上回るなど、新たな動きも見られた。
業種別では、ホテル・旅館、レストラン、テーマパークが高い成長率を記録し、免税店も前年同期比で137.6%増と好調だった。
同レポートは、多様化する訪日外国人の消費行動に対応するサービスや商品の拡充が求められると指摘する一方で、中国人観光客によるモノ消費の回復が再び市場構成に影響を及ぼす可能性があると予測している。