観光活性化フォーラム
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フィンエアーCEOが語るネットワーク戦略と労使協議の行方、日本路線への影響は

トゥルッカ・クーシスト氏

 昨年4月24日にフィンエアー(AY)CEOに就任したトゥルッカ・クーシスト氏が9日、本誌らのインタビューに応じ、日本市場を含めたネットワーク戦略や運航への影響が懸念されるパイロット側との労使協議の状況などについて語った。

 日本路線においては、同社は今年の夏期スケジュールで、中部空港(NGO)や関西空港(KIX)の増便を発表しており、これにより日本~ヘルシンキ路線は週25便となる見込み。コロナ前には週40便を運航しており、福岡空港(FUK)や新千歳空港(CTS)の復便も期待されるところだが、クーシスト氏によると2025年は当面「羽田・成田・関空・中部」の4路線にフォーカスする方針だ。また、日本市場については「中核的な市場」と示したほか、旅行会社などのパートナーは「引き続き非常に重視している」と発信した。

 今後のネットワーク展開においては、ロシア上空の飛行停止の影響が懸念されるものの、同氏はあくまでも最も重要なのは「需要がどの程度あるか」と強調しており、「日本におけるプレゼンスは更に高めることができる」と述べている。

 ただし、ロシア上空の飛行停止を巡っては中国路線への影響が大きい。コロナ前は週30便程を運航していた同社だが、夏季では週4便の就航予定に留まっている。クーシスト氏も「中国市場の展開や動向は注視している」と話すものの、中国系キャリアはロシア上空を通過できるとのアドバンテージから現状では同路線の大幅な増便は難しい状況だ。

 一方他の路線では、レジャー・ビジネス需要共に旺盛な北米路線などは大幅に拡大しており、同氏は「中国への依存を減らすことができている」との見解を示し、「長距離路線のネットワークはよりバランスが取れてきた」と前向きな姿勢を見せている。

難航する労使協議、日本路線への影響は?

 同社を巡っては、昨年よりパイロットが所属する労働組合との労使協議が難航しており、12月のストライキでは日本路線を含む約300便が欠航した。

 労使協議の状況についてクーシスト氏は、スケジュールなどの見込みは立っていないものの「本国ではベストを尽くして解決策を見出そうと取り組みを進めている」と述べており、「なるべく早く解決したい」と示した。

 また、運航への懸念については、影響が出ないよう努めているものの「完全に影響を0にすることはどうしても難しい」と話したが、日本路線における戦略には「変更はない」と強調した。