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求人情報

日本外航客船協会会長(JOPA) 遠藤弘之氏

  • 2025年1月10日

 新年明けましておめでとうございます。

 2022年の年末に本格的に再開した外航クルーズもようやく軌道にのり、昨年は通常のオペレーションによる海外ロングクルーズが可能となりました。また、国内クルーズも活況を呈し多くのお客様に乗船していただき日本人のクルーズ人口もコロナ禍前に戻ったと感じております。

 昨年は当協会が2003年から導入したクルーズアドバイザー認定制度によるクルーズコンサルタント認定試験も実施いたしました。この認定制度はクルーズ商品の販売促進を目的にしたもので、290名が合格いたしました。多彩なクルーズ商品が造成されるいま、クルーズに精通した販売要員はマーケット
の拡大に大きく寄与します。当協会は引き続き、クルーズに精通した人材の育成に努め、クルーズ業界の振興・発展のため貢献してまいります。

 外国クルーズ船についても、大都市のみならず地方の港にも多くのクルーズ船が来航し、政府が掲げる「観光立国推進基本計画」の2025年目標「外国クルーズ船の寄港回数2,000回超」にも迫る勢いと聞いております。小型船から超大型船まで、カジュアル船からラグジュアリー船まで、日本各地で運航するクルーズ船は多様になり、選択できる種類もコースも格段に増えてまいりました。また、港で出迎えてくださる市民の方々との交流は乗客の皆さまにとっても忘れがたい思い出となっていることでしょう。当協会としても関係各所の皆さまの多大なるご尽力に感謝申し上げます。

 国際定期旅客船についても回復基調にあり、2023年の国際間旅客運送の利用者数は60.2万人となっております。まだ2024年の利用者数は公表されておりませんが、順調に推移しているものと認識しております。一方で、航行安全について改善が求められる事例も発生しております。利用者の皆様の安心のため、これまでにも増して安全第一を肝に銘じ、取り組んでまいります。

 昨年末には商船三井クルーズの新ブランドMITSUIOCEANCRUISESから「MITSUIOCEANFUJI」が就航いたしました。今年は郵船クルーズが「飛鳥III」の就航を予定しており各社が複数隻体制で運航していきます。また、複数社から新規参入する計画も発表され、まさに日本のクルーズは新時代の幕開けを迎えております。当協会として引き続きクルーズ業界の振興に力を注ぎ、クルーズの楽しさを広く伝えてまいります。

 当協会はさらなる安全運航を第一に、クルーズ業界の健全な発展、マーケットの拡大を目指して取り組んでいく所存です。引き続きご支援・ご理解のほどお願い申し上げます。

 最後になりますが、2025年が皆さまにとって躍進の一年であることを心より祈念いたします。