旅行業・観光業DX・IT化支援サービス

世界2万7000人への調査から2025年"9つのトレンド"予測発表、Booking.com

 Booking.comは、毎年実施している「旅行トレンド予測」の2025年版を発表した。同社が今年7~8月に実施したアンケート調査で、33の国・地域2万7713人から得た回答をもとにまとめたもので、今回は計9つのトレンドを紹介している。

 1.宇宙を体感する"ナイトツーリズム"
 2.長寿を得る没入型リトリート旅
 3.個の欲求を満たすAI活用の旅
 4.多世代で紡ぐ、心に刻む旅
 5.男性"同志"、ウェルネスと自己啓発の旅
 6.シニアの枠を超えてスリル満点な冒険への旅
 7.見えない細部のニーズをテクノロジーで形にする旅
 8.ヴィンテージを楽しむ旅
 9.空港を旅程の一部として楽しむ旅


宇宙を体感する"ナイトツーリズム"

Booking.com

 気候変動による避暑などを要因とするナイトツーリズムが注目を高めている。全体の54%が、日中の暑さを避けるため夜間の活動を増やすことを検討しており、57%は「日差しが弱い夕方や早朝にアクティビティを計画する」と回答した。

 同社では、宇宙旅行が現実味を帯びてきた今、より実現可能な天体観測へ目を向ける旅行者が増えると予測。62%が真夜中の魅力を求めて夜空が綺麗な目的地を訪れることを検討しており、人気の夜間アクティビティは、天体観測体験(世界:72%、日本:67%)、星空ガイド(世界:59%、日本:54%)、一生に一度の天文現象との出会い(世界:59%、日本:39%)、星座を観測するコンステレーション・トラッキング(世界:57%、日本:43%)となっている。

長寿を得る没入型リトリート旅

 世界の旅行者の60%が、心身の健康を満たす没入型の長寿リトリートに関心を寄せている。58%は「自分の寿命を延ばすことと健康の増進を目的とした休暇にお金を払う」とも回答しており、全身振動やレッドライト療法、クライオセラピー(凍結療法)、幹細胞治療など、さまざまな健康法が試されていることがアンケートからわかった。

個の欲求を満たすAI活用の旅

 旅行選定の際に活用が進むAIなどのテクノロジーの革新。調査では、全体の41%がAIを活用して旅行を計画することに興味を示した。

 同時に、そのテクノロジーにおいては責任ある使い方をしたいとの視点が広がっており、44%(日本の旅行者:63%)が、あまり知られていない目的地を訪れる際にはソーシャルメディアで場所のタグ付けをしないと回答。情報を公開しないことで、写真を撮ることを目的とした観光客がその場所に殺到しないようにするためだ。一方で、Z世代の47%とミレニアル世代の44%は「場所をタグ付けできないのであれば、その目的地を訪れることを考え直す」と回答しており、ネットで共有できる代替案を探しているという。

 そのほか、67%(日本の旅行者:55%)は混雑していない場所を探すためにテクノロジーを利用したいと答えた。

多世代で紡ぐ、心に刻む旅

Booking.com

 2025年は多世代の旅行に期待が高まる。調査では、全体の46%が子どもに財産を残すよりも、2025年には一生に一度の旅行にお金を使いたいと回答した。世代別では、ベビーブーム世代の49%、80歳以上の40%が同様の回答を行ったという。

 加えて、ベビーブーム世代の80%が「次の旅行を予約するときに子どもの代金を喜んで支払う」、78%が「孫の旅費を喜んで支払う」と回答。また、全体の58%が「成人後に旅費の全額または一部を親に支払ってもらったことがある」と回答しており、両親が資金面でサポートする多世代旅行が注目される。