英国がアジア・中東向け商談会開催、日本市場の回復加速
英国政府観光庁は11月21日と22日、インドのベンガルールでアジアと中東の旅行会社を招いて商談会を開催した。英国からサプライヤーが33社出展し、バイヤーは日本からの5名を含む70名超が参加した。VB CEOのパトリシア・イェーツ氏は取材に対し、旅行会社を重視する姿勢を強調。日本市場の回復が加速していることに自信を示すとともに、さらなる回復への期待を語った。
日本からの訪問者数は、2019年には38.9万人だったところが2022年は11.5万人、2023年も22.5万人に留まった。しかし、今年は夏の段階では通年で29.9万人の予想だったのに対して現在は33.8万人と上方修正。前年比で50%増、2019年比でも13%減までの回復を見込んでいる。
イェーツ氏は、天皇皇后両陛下が国賓として英国を公式訪問され両国の歴史的なつながりの深さが際立ったことや、来年に予定されている大阪・関西万博での英国館出展などを通してさらなる回復が期待できると説明。またVBとしても来年1月にロケツーリズムの促進をめざすキャンペーン「Starring GREAT Britain」を立ち上げ、日本でも需要喚起に努めると語った。
万博では、現時点で確定はしていないもののVBとして旅行需要促進につながるメッセージの発信を働きかけているところ。環境・食糧・農村地域省による「フード&ドリンク」のテーマウィークに合わせて「ツーリズムデー」の開催も検討中だ。
このほか、メディア露出の取り組みも継続。10月にはブリティッシュ・エアウェイズ(BA)とロンドンのペニンシュラホテルと共同で富裕層をターゲットにしたメディアFAMを実施。旅行業界向けにも1月に恒例の現地商談会を予定しており、日本からも複数社が参加しその後の視察旅行では鉄道を使ってコッツウォルズやデヴォン、コーンウォールなどを巡る計画だ。
イェーツ氏は旅行業界との関係について、「コロナ禍を経て旅行会社が提供する安心安全という価値が再評価された」と語りB2Bの活動を強化していることを説明。商談会を通してロンドンだけでなく各地が持つ素材や魅力を伝え、需要の地方分散につなげていきたい考えを示した。