シンガポール政観 開局60周年記念パーティーに業界関係者ら100名集結、「心と想像力を掻き立てるデスティネーションへ」
シンガポール政府観光局(STB)は29日、同局の開局60周年を記念したパーティー「STB60感謝の夕べ」を開催し、JATA髙橋会長ら業界関係者約100名が駆け付けた。会場となったのは、2023年6月としまえん跡地にオープンした「ワーナーブラザース スタジオツアー東京-メイキング・オブ・ハリー・ポッター」(スタジオツアー東京)。2022年に同局がワーナーブラザーズ・ディスカバリーとパートナーシップを締結していたことから実現したもので、参加者はハリー・ポッターシリーズを代表する撮影場所の1つ「大広間」を再現したセットでシンガポール料理を堪能し、スタジオツアー東京の一部エリアを楽しんだ。
挨拶を行ったSTB長官のメリッサ・アウ氏は冒頭で、「業界関係者の皆様には、これまで長年にわたりシンガポールの観光産業の発展に重要な役割を果たしていただいた」と謝意を示すとともに、ナイトサファリや統合型リゾート、MICE都市としての地位確立などデスティネーションとしての進化や、SARS・コロナなどの難局を含めこの60年を振り返った。
日本市場については、アジア通貨危機が発生した1997年までは同国への訪問者数で常にトップ5に位置してきたと言及。2019年には88万4000人だった日本からの訪問者数は、2023年は19年比48.9%(43万人)を記録、今年2024年の9月までの累計では、19年同期比66%まで回復しており、「完全回復に向けて確実に前進している」と強調した。
同国では現在も観光分野の開発を積極的に展開している。4つの野生動物公園が集まるマンダイ地区では、2023年にアジア最大級のバードパーク「バード・パラダイス」がオープン、400種3000羽以上の鳥類と出会うことができる。2025年には、バンヤンツリーが運営する「マンダイ・レインフォレスト・リゾート」も開業予定で、これにより同地区は滞在も可能なエコリゾート・ワイルドライフリゾートに進化する。
セントーサ島では、リゾート・ワールド・セントーサとビーチを繋ぐ350mの体験型遊歩道「Sensoryscape(センソリースケープ)」が今年3月にオープン。自然や建築デザインに、ARなどテクノロジーを組み合わせた五感を刺激するものとなっている。また、リゾート・ワールド・セントーサには、「Harry Potter: Visions of Magic」が11月22日オープンする。インタラクティブな没入型アート体験が可能で、2026年9月まで公開される。
クルーズ観光の成長も期待されるシンガポール。注目は、アジアを母校とする初のディズニークルーズが2025年12月15日から5年間マリーナベイから出航する。ディズニーやマーベル、ピクサーなどの世界が楽しめる3泊と4泊のプランが用意されており、今年12月10日より予約が開始される。
また、来年4月に開催を迎える大阪・関西万博では、「ゆめ・つなぐ・みらい」をテーマとしたパビリオンを展開する。最先端技術や文化、観光資源を世界に向けて発信していくとしており、アウ氏は「これからも世界中の旅行者の心と想像力を掻き立てるデスティネーションになることを目指す」との姿勢を示した。