政権交代が実現した場合、立憲民主党の観光政策は?
解散総選挙を間近に控えた10月10日、新観光創造連合会(TIFS)が立憲民主党の小川幹事長、伊藤衆議院議員に政権交代が実現した場合の観光政策に関してお聞きする会員限定での意見交換会を開催しました。意見交換会後の追加インタビューの内容も含め、質問に対する回答及び両議員からのメッセージの要約をお伝えします。(聞き手:TIFS会長 岡田直樹)
小川 先ず申し上げたいのは、交流の拡大に資する観光産業は日本の活気・活力を増進する点では産業政策として、草の根での国際交流による相互理解の亢進の視点では平和政策・外交政策として、極めて重要な産業であると認識しております。
ご存じかも知れませんが、羽田空港国際化、中国人向けのビザの緩和と言う長年果たし得なかった課題を実現したのはかつての民主党政権です。その後、至らぬ点が多々あり下野致しましたが今のインバウンドの興隆の下地には間違いなく寄与したと自負しています。
これまで自公政権が進めてきた観光政策の良い点は引き継ぎ、変える、加えるべき点は加え、日本国、観光産業双方により良い形で進めていきたいと考えています。
小川 実際、私自身が国際線に乗った際にも乗客の大半は外国の方でした。航空会社の方にお話を伺っても日本路線の乗客の7割近くが外国の方と言うケースが多いと聞いております。バブル後の円が強かった時期に日本発着の国際線に乗ると大半の乗客は日本人、世界のどんな小さな町に行っても日本人が居たものです。
アウトバウンドの亢進には行き過ぎた円安の是正が不可欠だと思っています。欧米では3~5%の金利、日本ではほぼゼロ金利、これでは円が売られても致し方ない。
やはり慎重を期した上での金融政策の見直し、莫大な財政赤字の抑制にも繋がる社会報奨制度の構造改革等、本質的な対応により、円を再評価させてていかなくてはならないと考えています。
小川 富士山の山梨ルートは入山規制、有料化が始まっています。一部の地域への過度な集中を避ける為には、入域規制や有料化は検討の余地があると思っています。
一方で宿や2次交通等のキャパシティ強化も平行して行っていく必要が有ると考えており、党としてはそれらの取組も後押ししていきたいと思っています。
極度の集中では無く、広く分散、そして何より観光による恩恵が地元含めあまねく、広くいきわたる状態を目指すべきだと考えています。
伊藤 もっと皆さんの声を聞き、それを党としての政策、伊藤個人としての活動に反映させていきたい。野党に期待して頂いているからこそ、今日のような場を設け頂いたと思っておりますので、利権・派閥・裏金政治からの脱却、それを実現するための政権交代を実現すべく最大限の努力をして参ります。近い内に野田元総理との意見交換の場も必ず作りますので、今後も継続的にお声をお聞かせください。
小川 私自身、旅が大好きで、人生に欠かせないものだと思っています。時代が自動化、機械化へ向かっているからこそ、人間同士の生のふれあい、異文化を持つ人との互いの体温を感じる交流が幸福感を生み、相互理解を深めるものと認識しています。
これまでさまざまな逆境や苦労を乗り越えて来られた思いますが、皆さんが従事されている観光産業は人を幸せにし、異文化との相互理解を深め、より平和な世界の実現に寄与するものです。どうかプライドを持って今後も活躍して頂きたいと思っており、党としても皆さんの活躍を全面的にバックアップさせて頂くことをお約束いたします。