HIS 第3四半期決算38億の黒字、前年同期56億の赤字から一転 海外旅行ではスポーツ観戦需要で米国など好調
HISは13日、2024年10月期第3四半期(23年11月~24年7月)の連結決算を発表した。売上高は前年同期比144.9%の2375億8200万円、旅行事業やホテル事業含め全セグメントで前期比2桁以上の伸びを見せた。また、営業利益は55億300万円、経常利益は55億2900万円を記録し、当期純利益は前年同期56億3400万円の赤字から、38億8600万円の黒字へ転じた。
海外旅行事業では、円安・物価高・燃油高騰などの影響から、ハワイ・ミクロネシアは未だ低調に推移。一方で、韓国や台湾、欧州・オセアニア方面に加え、スポーツ観戦需要が旺盛なアメリカ西海岸などが取扱高を牽引した。国内旅行事業では、全国旅行支援の反動減が一部見られたが、宮古島行きのチャーター便を展開した沖縄や、期間限定の無料観光バスを展開している北海道が好調だった。訪日旅行事業では、北米や欧州からの団体旅行が好調に推移し取扱高を伸ばしたほか、富士山関連の自社バスツアーが個人旅行者向けに高い人気を見せた。
これにより、旅行事業の売上高は前年同期比150.9%の1944億3500万円を記録し、前年同期41億1800万円の営業損失から営業利益46億7900万円を確保した。
その他、ホテル事業では国内「変なホテル」ブランド、台湾「グリーンワールドホテル」、韓国「変なホテル ソウル明洞」などが好調に推移し、売上・利益を牽引。各国ともに国内外からの観光需要が増加したほか、清掃の自社化や業務のマルチタスク化、アメニティのロビー設置などのコスト削減施策も利益増に寄与した。
九州産交グループでは、バスの斡旋手数料や人件費などによる費用増加があったものの、訪日や国内の観光客増加により、路線バス・高速バス・貸切バスの全てにおいて伸張した。
なお、通期業績予想の営業利益に対しては進捗率が約5割に留まっており未達の可能性もあるが、同社は6月14日の修正値のまま通期業績予想を据え置いている。