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フランス観光市場は堅調に回復、ニースは印象派・世界遺産を軸にプロモーションを展開

  • 2024年6月5日

 このほど東京・大阪で開催された旅行業界向けのワークショップ「SAKIDORI FRANCE 2024」で来日したニース・コートダジュール観光局が記者会見を開催し、24年は没後70年のマティス、25年はセザンヌと、コート・ダジュールに拠点を置き活躍した画家をテーマに観光プロモーションを行うと発表。さらに世界遺産に登録されているニース市内の歴史モニュメントを巡る観光ルートの提案やバーチャルツアーの設備も整え、PRを行っていく考えだ。

(左から)エクス・アン・プロヴァンス観光局プロモーションマネージャーのマルレーヌ・マンガニ氏、リュブロン観光局局長のフランク・ドゥラエ氏、ニース市マティス美術館館長のエムリック・ジュディ氏、ニース・コートダジュール観光局副局長兼広報・マーケティング部長のカトリーヌ・アヌーユ氏

 同局副局長兼広報・マーケティング部長のカトリーヌ・アヌーユ氏によると、マティスについてはニース市内のマティス美術館で6月から9月まで開催される特別展などを通し、ロザリオ礼拝堂などの見どころをアピールしていく。25年はエクサンプロヴァンスのセザンヌの自宅やアトリエの改修工事が終了し一般公開が始まることから、同年を「セザンヌ・イヤー」と位置づけ、日本に訴求力の高い印象派の画家をテーマとしたプロモーションを行う。

 また、ニースは21年に「リヴィエラの冬季保養都市、ニース」として、18世紀に避寒リゾートとして開発された地域が世界遺産に登録されていることから、同局では「冬にこそ行くべき場所」として、冬のニースをアピールしていく。さらにスマートフォンなどを活用して、プロムナード・デ・ザングレ、ネグレスコホテル、パレ・ド・ラ・メディテラネといった、世界遺産地区の主要な建物を巡る散策路を提案。さらにオンラインのバーチャルツアーで事前の見どころをアピールし、需要喚起も図る。アヌーユ氏によると、日本市場の回復の動きは依然鈍いものの「重要な市場でありパートナー」として、回復への期待を述べた。

 同日にはフランス大使館公邸でレセプションが開催された。フィリップ・セトン駐日フランス大使によると、フランスは22年、23年と2年連続で観光客受け入れ数1位を記録し、23年の観光収入は635億ユーロを記録。ロングホールの市場では北米が堅調な回復を見せている一方、依然アジアの動きが鈍いが、オリンピック・パラリンピックが回復の契機になるのではと話した。さらに日本市場については7月からの全日空(NH)羽田/パリ直行便デイリー運航の開始に触れ、「リピーターなど、日本市場の回復に期待している」と語った。

フィリップ・セトン駐日フランス大使

 SAKIDORI FRANCE 2024ではフランスの地方観光局やホテルなど38団体が来日。東京で130人、大阪で60人の旅行会社が参加して商談会を行ったほか、インハウスセミナー、セールスコールなどを行った。