TIFS会員インタビューVol.9 ライフブリッジ 櫻井 亮太郎 氏

  • 2024年5月8日
  • 出典:一般社団法人新観光創造連合会(TIFS)

 TIFS会員の取組をご紹介するシリーズ第9弾は株式会社ライフブリッジ代表取締役 櫻井 亮太郎さんの取組をご紹介します。

lifebridge
-まずは自己紹介と会社概要をお聞かせください。

櫻井 亮太郎氏(以下敬称略) 仙台市出身で、大学は英国のリッチモンド大学を卒業しました。10年間の海外生活を経て、1999年に帰国し、2006年に現在代表を務めるライフブリッジを設立しました。そのほかにも、内閣府クールジャパン地域プロデューサーや宮城ワーケーション協議会の共同代表、宮城創生DMOの会長も務めています。

 ライフブリッジとしては、「戻りたいときに戻れる地域づくり」を目指して地方創生に取り組んでいます。最近では都市部を離れ 「よりリアルな日本」を求めて地方に向かう外国人観光客も多く見られる一方で、オーバーツーリズムの問題や、人数に目が行き過ぎて実際に地域が恩恵を受けていないケースもあります。今後は人数主義から地域満足主義へ移行し、外国人観光客と地域の人々の双方の満足度が高い、そんな観光、地域経営が求められていると思います。

 そのため、我々としては「研修・講演」、「翻訳・通訳」、「インバウンドプロモーション」の3つの事業を通し、インバウンド人材を育て、稼げるまちづくり、そして新しい観光の在り方を提案しています。

-取り組まれている各事業の詳細を教えてください。

櫻井 研修や講演では、例えば仙台駅に入っている飲食店やお土産屋さんの方々に対し、英語接客が2日でマスターできる「カタカナ接客英語」といった、キッチリとした英語を話さずとも如何にわかりやすく伝え、どう販売に繋げるかにフォーカスをした訪日客受け入れの体制整備の研修を行っています。

 インバウンドプロモーションでは、自治体や企業と連携してyoutubeなどSNSを使った地域のPRを行っています。私がプロデュースしているYouTubeチャンネル「Abroad in Japan」を活用する場合もありますが、発信するコンテンツなどによって有効なYouTuber、インフルエンサーなどをアレンジしています。

 このPR事業から関連して、訪日向けのコンテンツ造成や情報発信研修も実施しています。よく、影響力のあるyoutuberを使って発信すれば勝手に訪日観光客が集まると勘違いされる方が多いですが、そもそもコンテンツ自体が良くなければ幾ら情報発信をしても集まりません。既存のコンテンツが訪日や国内の旅行者に響くのか。マーケット毎に最適なコンテンツや情報発信はなにかを学びます。

 特に、地方でのコンテンツ造成の際に重要なのは「テーマ性の強さ」。仮にテーマ性が弱いと、観光客はより行きやすい場所の類似コンテンツを探します。実際私自身も、栃木で「聖地・岩船山爆破体験ツアー」を手掛けていますが、岩船山が特撮ものの爆破シーンに使われる聖地であるという強みがあります。そのため、特撮やコスプレ好きの方に非常に人気ですし、聖地のため他の場所では真似もできません。