DL アジア太平洋地域担当副社長来日、ネットワーク拡充と顧客体験向上に注力

  • 2024年3月17日

 デルタ航空(DL)は15日、アジア太平洋地域担当副社長で、大韓航空(KE)とのジョイントベンチャー(JV)を統括するジェフ・ムーモー氏来日に伴う記者説明会を実施した。開始から間もなく6年となるKEとのJVにより現在、仁川(ICN)と米国間は1日最大19便運航、ICN乗り継ぎ客数は1日片道2000人以上にのぼるが、ジェフ氏は「アジアにおけるネットワークは非常に良い状態にあるが、更なる成長を続けていく」と、引き続きネットワークの拡充に努める方針を示した。

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ジェフ・ムーモー氏

 日本市場についても「非常に重要」と語った同氏だが、日本の航空会社とのパートナーシップ締結の可能性については「常に提携先は探しているが、一緒に投資を行えるかが重要」と慎重な姿勢を示した。実際にKEとは、ICNでのカウンター業務や羽田空港でのグラハン業務などでも協力関係を築いている。

 また、日本市場の現状は、好調なインバウンドに対し日本人アウトバウンド需要の取り込みに課題を残しており、同社日本地区社長の大隅ヴィクター氏によると、昨年5月のコロナ5類移行後は主に法人の出張需要から回復。「レジャー需要に対しては、オフピーク期間をどのように取り込むか」が重要となる。

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大隅ヴィクター氏

 同社では今後、ロサンゼルスで開催を控える「IPW2024」や、今年1月より開始された「日米観光交流年」などによる各種取り組みを通しアウトバウンド需要を喚起していきたい考えだ。

カスタマーエクスペリエンス向上へ注力

 ジェフ氏が、ネットワーク拡充と同じく重要と強調したのが「カスタマーエクスペリエンス」。18年5月末より開始した、ロサンゼルス国際空港(LAX)ターミナル2・3とトム・ブラッドレー国際線ターミナル(ターミナルB)を改装、接続する「デルタ・スカイウェイ」プロジェクトでは、計23億ドルを投資。22年4月に「デルタ スカイクラブ」を、10月に9つの新しいゲートと広々とした搭乗エリアを備えた最新の第3ターミナルをオープン。同プロジェクトは昨年9月に予定より18か月早く完了し、両ターミナル間は動く歩道で直結され、バスでの移動が不要となった。

 今後については、LAX、JFK、BOSの3空港にプレミアムラウンジの新設、LAX、MIA、SEA、MSPのスカイクラブ拡張を予定するほか、現在米国内主要路線で無償提供している高速Wi-Fiを25年に国際線に拡大する。

 また、現在米国内へ乗り継ぐ際に手荷物の再検査、預け入れを不要とするプログラムの開始に向けて取り組んでおり、羽田、仁川からの旅客へは今年末目標に運用開始する予定だ