コロナ禍、50歳からの独立・起業-MATCH 松宮英範氏
どうやらこの状態が数年間続くことがわかり始めた時、もう前と同じ状態で海外旅行を扱ったり出来ないだろうな、コロナ後にようやく対応できた、というタイミングでもう定年間近ではなかろうか・・・ちょうど50歳となり天命を感じた瞬間です。
ここまで長く勤めた会社を辞めることには勇気がいりました。先が心配だからではなく、なんで今更辞めるのか、という自分の中の現状肯定圧力がすごいのです。
私の場合は、コロナ禍での緊急早期退職の募集があったので助かりました。ただ応募すれば辞めることになるので・・
日本人は、新しいことを始める不安より、現状を変化させることに心が拒否する傾向が強いようで、私もどうしようもなく日本人だと痛感しました。
そうしてコロナ禍、集客に困っているインバウンド向けの宿泊業への集客支援、いわゆるコンサルタント業からスタートしました。旅行業26年の実績と肩書も、名実ともに役に立ちます。訪日外国人から日本人を対象にした集客へ、また宿泊施設を空間ビジネスと捉え直し、1日単位ではなく、1時間単位、1か月単位での商品としたり、入国自主隔離者向けの対応や撮影スタジオ化、さらに補助金への取り組みなどなど、宿泊業界で生き残った方々は、皆さん対応されてきたことと思いますが、耐え忍ぶ策を考え続け、パンデミックを何とか切り抜けました。
その後現在は、12施設の運営や集客支援を行っており、神奈川県で第3種の旅行業登録も済ませました。
様々な機会で「独立はどう?会社は何人でやっているの?」と尋ねられて、「楽しいことばかり」「1人社長です」と答えては、またまた新入社員時代のように驚かれ、「何の苦労もないなんてあり得ない!」「個人事業主ではなく、1人で会社って作れるの?」とやや批判的な反応となります。
一方で、機会あって大学などでゲスト講師も幾つかしていますが、学生に起業を語ると、興味深々のようで目を輝かせてきます。先入観ないと違ってきますね。
1つだけ後悔しているとすると、「あと10年早く起業すればよかった」とお答えしているのですが、・・ちょっと長くなったので、続きは来月に
・・・・・続きがあれば(ある筈!)
株式会社MATCH代表。大学卒業後、大手旅行会社で26年勤務。主に富裕層向けの海外ツアーを手掛ける。50歳を機に、コロナ禍の2021年に独立起業し、ニッチなホテルのプロデュースと集客支援を行う。インバウンド向けのミニホテルや長期滞在型のコンドミニアムホテル、関東近郊のリゾート地で展開する一棟貸切タイプのラグジュアリーヴィラなど現在12施設の運営や集客に携わる。その他、集客にお困りの施設の宿泊コンサルタントや、神奈川県で第3種の旅行業登録、各種講演や大学の講師なども務める。大阪出身、横浜市在住。