仏アコー プルマンブランドの拡充検討、アジアCEOシモンズ氏「24年はインド市場に注目」

  • 2023年12月26日

 仏ホテル大手アコーの積極開業が止まらない。来年4月に大和リゾートから運営を受託し国内23軒ものホテルを一斉開業することは既報の通り。先月には「メルキュール東京羽田エアポート」、今月に「メルキュール東京日比谷」をオープンしたほか、来年1月に「ホテル創成札幌 Mギャラリー」、秋に「ノボテル奈良」、25年には日本初進出となるラグジュアリーブランド「フェアモント東京」の開業を控える。

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アコーアジアCEOのガース・シモンズ氏

 現在世界で50以上のブランドを展開する同社だが、アコーアジアCEOガース・シモンズ氏は、アップスケールの「プルマン」を一つのフォーカスブランドとして挙げる。現在日本国内では「プルマン東京田町」を既に開業しているが、ブランド知名度を向上させ、日本でもプルマンブランドの更なる拡充を進める方針だ。

 4月の一斉開業では「グランドメルキュール」ブランドが日本初進出。リブランドを予定するホテルのほとんどは1月末まで大和リゾートが引き続き運営を行っており、現在の宿泊客の割合は約9割が日本人旅行者となるなかで、グローバルチェーンのアコーによるリブランド、運営でどこまで訪日旅行者を取り込むことができるか注目される。リブランドするホテルの中でも、シモンズ氏が「投資家の注目が高い」と話すのが「グランドメルキュール沖縄残波岬リゾート」で、同社としてもホテルの9割以上を改修し、県内最大規模のプールを設置するなど力を入れる。

 また、2024年アジア圏の旅行需要の見通しとして、シモンズ氏が注目するのが中国市場のほか、インド市場。2019年の訪日インド人旅行者は約17.5万人。同年の訪日旅行者全体が3188万人だったため、決して訪日におけるインド市場の影響は大きくないが、インド観光省の統計によると2014年から2019年までのインド人外国旅行者数は年平均8.0%増を記録など、経済成長に伴いアウトバウンド需要の拡大が期待される。インド国内で40軒以上のホテルを開業しているアコーは認知度も高く、今後日本国内のアコーブランドに宿泊するなど、「日本にもインド人旅行者が増えていくのではないか」(シモンズ氏)と予想した。