東京大阪間を北陸経由で巡る「新ゴールデンルート」訴求するグランドサークルプロジェクト、BtoB販促を強化、一部助成も
北陸新幹線の金沢開業を機に、2014年以来北陸新幹線沿線の官民が連携して誘客に取り組む「グランドサークルプロジェクト」はこのほど、国内旅行会社、ランドオペレーターを対象とした観光セミナーを開催した。
セミナーでは来年3月16日に敦賀延伸を控えた北陸新幹線を利用し、東京~大阪間を東海道新幹線を利用する「ゴールデンルート」ではなく北陸経由で巡る、「新ゴールデンルート」沿線の観光地などが紹介された。同プロジェクトではこの「新ゴールデンルート」を「レインボールート」と称し今後PRを行っていきたい考えで、このレインボーには、ルート上には海や山など多様な観光素材があるということと、LGBTQの方たちなどあらゆる人に対してもフレンドリーであるという意味が込められているという。セミナーの冒頭、同プロジェクトの事務局を務める石川県観光戦略推進部国際観光課長の北口義一氏は「国においては観光立国の実現に向けて、人流の分散化、地方への誘客促進が図られている中、(レインボールートは)まさにふさわしいルートではないか」と語った。
また、同ルートの魅力について北口氏は「日本の屋根と言われる山から、豊かな日本海の漁場などの自然が豊富であることに加え、そこに暮らす人々のサステナブルな暮らしや習慣、祭りなどの文化を楽しめる」と述べており、セミナーに登壇した東京・群馬・新潟・長野・富山・岐阜・石川・福井・滋賀・京都の各地域からは魅力的な景勝地やアクティビティ、食体験などが紹介されたほか、滋賀県からは欧米豪向けの宿泊助成事業なども紹介された。
同プロジェクトは石川県が発起人となり、発足以来旅行博への出展や海外メディアへの活用などを通して、欧米豪を主なターゲットに情報発信を行ってきた。これまではBtoC中心のプロモーションだったが、「BtoCだけでは飛躍的に増えない。加速度的に効果を出すにはBtoBへのアプローチが課題」(北口氏)と、今後旅行会社などへ商品造成を促すBtoBプロモーションを強化する考え。取り組みの一環として、商品造成に掛かる視察費用を各自治体への相談ベースで一部負担していく予定だ。