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元KIE USA代表の第二のキャリア。足摺海洋館「SATOUMI」、地域愛に根差した施設が取り組む観光促進

  • 2023年9月8日

 最寄りの空港から車で2時間半というアクセスのハンデを負いながらも、地域の観光振興への貢献を目指す高知県立「足摺海洋館SATOUMI」。海と自然の豊かさに恵まれた水族館を、より多くの来館者に楽しんでもらうために、どのような取り組みを進めているのか、運営母体である高知県観光開発公社の浜田浩二社長と、水族館運営のプロフェッショナルである新野大館長に伺った。(聞き手:弊社代表取締役社長兼トラベルビジョン発行人 岡田直樹)

(左から)浜田浩二氏、新野大氏
-はじめに自己紹介をお願いいたします。

浜田浩二氏(以下敬称略) もともと高知県で生まれ、その後、海外や国内を転々としたのですが、21年に日本に戻りふるさとである高知市内に終の棲家を購入。夫婦でのんびり暮らそうと考えていたときに、高知県観光開発公社の仕事のお誘いをいただき、翌22年6月から代表取締役社長を務めています。現在は公社がある土佐清水市に近い四万十市に単身赴任して仕事をしています。

-海外や国内を転々としたというのはどういうことですか。
浜田氏

浜田 父親が海外の日本人学校に派遣されたこともあって、中学時代はバンコクで生活し、高校で高知へ戻りましたが大学時代は東京。途中1年ほどは当時父親が赴任していたスペインで過ごしました。大学卒業後は近畿日本ツーリストに就職し高知支店に配属されたのですが、5年ほどしてから海外駐在員試験を受けて合格。米国に渡り、当時ビジネス旅行分野の最先端だったBTM等を担当しました。2000年に帰国した後は東京、名古屋、大阪でBTMを手掛け、虎ノ門公務旅行支店では2年間支店長を務めました。それから再び渡米し2015年から2021年までKIE USA(Kintetsu International Express USA)の社長をしていました。

-近畿日本ツーリストで活躍してきた浜田さんが、高知県観光開発公社に入った経緯は?

浜田 地元高知の私の先輩が県の職員の方と知り合いで、公社の前任社長が辞めるタイミングで私のことを県に紹介してくれたのがきっかけです。近畿日本ツーリスト時代に観光産業で経験を積んでいたこともあって観光開発公社に仕事を託されたのだと思います。

-新野館長にも自己紹介をお願いします。
新野氏

新野大氏(以下敬称略) 私は東京生まれですが、幼い頃から水生生物に関心があり、東海大学海洋学部水産学科に進学しました。卒業後は新潟県村上市にある瀬波水族館に飼育係として就職しました。3年ほどして青森市で県営の浅虫水族館が開館するというニュースを聞き、新しい水族館づくりに一から携わりたくて転職を決断しました。開館準備段階から携わり、オープンの1年前から青森と和歌山県太地町を行ったり来たりしながらイルカの訓練などを行い、無事に開館に至りました。ちなみに浅虫水族館は日本最北端でイルカのショーを行っている水族館です。

 その後は大阪の海遊館に移りましたが、ここでも開館準備から関わり約17年間勤務しました。その後、2005年に海遊館を退職しフリーで執筆活動などをしていましたが、「足摺海洋館」が「足摺海洋館SATOUMI」にリニューアルするのに伴い18年からプロジェクトに参加。館長として2020年にリニューアルオープンを迎えることができました。