ニュージーランド / オークランド中心地のビルで発生した銃撃戦の影響について
日本でも複数のメディアが取り上げておりますが、現地時間本日2023年7月20日(木)の朝、オークランド中心地のビルにて銃撃戦が発生いたしました。
現地報道ベースとなりますが、以下に最新情報をお知らせいたします。
■ 最新情報
1. FIFA女子ワールドカップ2023開幕戦
現地時間19:00にイーデンパーク・スタジアムで予定されている開幕戦(ニュージーランド 対 ノルウェー)は予定どおり開催。他方、犯行現場近くのクラウド(@Queens Wharf)にて本日予定されていたワールドカップ関連行事はすべて中止となりました。明日から開催される模様です。
2. 交通情報
オークランド交通公社(AT)は15:00に全てのバスが通常運転となりましたが、Britmart駅は迂回されて運行しています。
3. 銃撃事件の発生場所
警察の報道発表で「Lower Queen Streetにある」とされているビルは、現地報道によると具体的には、1 Queen Street (Quay StとQueen St、Britmartの歩行者天国に接している場所)にあります。
今年中の大規模改修工事の完了を目指していて、まだ入居者はなかったようです。
(そのため、被害者は工事現場関係者の模様)
なお同ビルは、Precinct Properties社(NZX上場)が所有し、大手建設業者 L.T. McGuinness社が建設。Deloitteビルという名前で、L6-L11にはインターコンチネンタルホテル(2023年末オープン予定)、L12-20は事務所スペースを予定しています。
4. 犯人の特定
警察の情報では、「犯人の身元は特定できていないが、24歳の男だと思われる。彼は建設現場で働いていたと聞いており、今朝彼が現場にいた理由は仕事に関係していると考えている。」のみですが、
当地の各種報道では、24歳のMatu Tangi Matua Reidという名前の男性で、本年3月、傷害、故意の損害、女性への暴行、呼吸妨害(charges of impeding breathing)の罪で5ヵ月の自宅拘留(a community-based sentence of home detention)を受けており、GPS端末を装着し行動監視を受けていたようです。
以下に、在オークランド日本国総領事館が発出した情報をご案内いたしますので、あわせてご確認ください。
今朝のオークランド中心地のビルでの銃撃戦については、事態は収束しましたが捜査が継続、現場付近の封鎖は数日継続する見込みですので、引き続き安全に留意していただくようお願いいたします。
■ 午前9時40分のニュージーランド警察報道発表
1) 午前7時22分頃、ロウワー・クイーン・ストリートの建物内において、何者かが銃を発砲したとの
通報が検知された。通報を受け、相当数の警察が駆けつけ、一帯を封鎖した。
警察のヘリコプターも出動し、現場の警戒・監視にあたった。
2) 犯人(男性)はビル内を移動し、銃を乱射し続けた。ビルの上層階に到達した時点で、
犯人はエレベーター・シャフトの中に立てこもった。
警察官が犯人と応戦すると犯人からさらに発砲があったが、しばらくして犯人の死亡を確認した。
3) 発生した事件の詳細はまだ明らかになっていないが、警察は負傷者や状況について引き続き
最新情報を提供する。
今回の事態が憂慮すべきものであることは理解できるが、我々(警察)はこの事件が収束し、
単独事件(an isolated incident)であることを再確認している。
また、これは国家安全保障上のリスクではないことをお伝えする。
警察は捜査を開始している。
引き続き、この地域に近づかないよう呼びかけている。
午後にメディアに最新情報を提供する予定である。
■ 午前11時57分のニュージーランド警察報道発表
警察は、現段階で警官1名と一般市民4名が負傷したことを確認している。
警察官は重体で病院に搬送されたが、容態は安定している。一般市民4人は中程度から重傷となっている。
このうち少なくとも1人は中程度の負傷でオークランド市立病院に自力で搬送された。
状況および現場はまだ警察の管理下にあるが、まだ警察に被害を届けていない被害者がいる可能性があり、負傷者に関する状況は変化する可能性がある。
ビル現場は現在安全が確保され、現場検証が行われている。
警察の重要事件捜査が開始され、犯人の行動の背後にある状況を理解するために取り組んでいる。
現場やその周辺にいた40人以上の目撃者がおり、この捜査の一環として話を聞いている。