【シアトル視察レポート・後編】コーヒーの都、アート&カルチャー、グルメを足回りのいい市内で楽しむ

  • 2023年6月27日

 食事の後は、ダウンタウン(ウエストレイクセンター)からモノレールに乗って、シアトルのランドマーク「スペースニードル」やガラスアートの美術館「チフーリ&ガーデン・アンド・ガラス」のある総合公園「シアトルセンター」へ。チケットは$3.5で約2分で到着するが、ちょっと高見からみるシアトルの街を眺めるのもまた楽しい。

高さ184mのタワー「スペースニードル」

 シアトル・センターは、スペースニードルをはじめ、チフーリ&ガーデン・アンド・ガラス、ポップカルチャー博物館、パシフィック・サイエンス・センターなど大人も子供も楽しめる文化施設が集まっている。子供向けに「ザ・チルドレンズ・ミュージアム」や屋外で音と動きを楽しめる遊具が設置された無料の公園があるのも家族連れにはありがたい。

世界的にも有名なガラス作家であるデール・チフーリの作品が展示された「チフーリ・ガーデン・アンド・ガラス」。美しさに目を見張る。

 チフーリ&ガーデン・アンド・ガラスは、1.5エーカーという広大な敷地で、天井にガラスの花が咲いたような展示室など工夫が凝らされている。ガーデンというだけあってさながらガラスの植物園のようなスペースなど見ごたえがある。

まるで巨大な温室のような展示室も。

 ポップ&カルチャー博物館は、SF映画やアニメーション、アートなどと音楽の展示そのものがポップカルチャーな感じ。シアトル出身でマイクロソフト共同創業者だった故ポール・アレン氏が資金を提供して創設。

ポップカルチャー博物館では、シアトル出身のミュージシャンであるジミー・ヘンドリックスの企画展が開催されていた。

 アート&カルチャーなミュージアムを堪能して、2018年にリニューアルオープンしたスペースニードルへ。エスカレーターには大きなガラス窓があり、オペレーターによる「1962年のシアトル万国博覧会の時に建てられた」というような歴史を聞きながら、市内が見えて気分が上がる。

 シアトルを一望できる地上150mにある展望台には、壁やベンチもガラスで迫力満点の屋外展望デッキがあり、写真撮影する人でいっぱいだ。一つ下の階には、床がガラス張りで自転する展望台も。

シアトルの街の上に浮かんでいるような感じ?スペースニードルの展望台で。

 前編でもローカルの素材を使ったクリエイティブな料理とプレゼンテーションに驚かされたが、新進気鋭のシェフであるアーロン・テクリブのレストラン「サレルSRELL」の料理は、見た目も味もレベルの高さに驚かされた。9-10品のテイスティングメニューは$175のファインダイニングにふさわしい料理が次々と登場する。

美しいセッティング。マカロンは、ローストした香り高いポルチーニ茸のマカロンには卵の黄身のジャムが挟んである。
ポテトでブラックトリュフを巻き込んだ葉巻は、本物の葉巻箱に入れて供された。

 金曜の夜、築100年の邸宅を改装した一軒家レストランは予約で満杯だった。インフレや景気が問題になるアメリカだが、まだまだ経済が強いと感じられた。

 気軽に地元の味を楽しんだり、お土産を買うにも便利なのは、シアトルの代表的観光スポットでもある「パイク・プレイス・マーケット」。アメリカで現存する一番古い市場だ。

生鮮品だけでなくローカル生産者がジャムやチーズなどを売っていたり、お土産探しにもいい。

 注文が入ると掛け声と共に魚を投げて渡すパフォーマンスが有名な魚屋やきれいに品が並べられた青果店や花屋など見て歩くだけでも楽しいが、公設でありお値段もリーズナブルなので、お土産を探すのにもいい。また市場の周辺は、ピロシキ、マカロニ&チーズ、ギリシャ風サンドイッチなど気軽に買い食いやイートインできる店もあって、お財布にも優しい。

ローカル生産者がいろんなジャムが$5から売っていた。リンゴンベリー(コケモモ)などちょっと珍しいものも。

 3泊4日の今回の視察は、空港ー自然いっぱいの近郊ー文化施設や食を楽しめるダウンタウンと短い移動距離で多彩な旅を楽しめるシアトルの魅力を味わうことができた。市内はバスやシェアライド、モノレールなどが利用できて足回りもいい。テイクアウトや市場の出店などのカジュアルな食事、ブルワリーパブからファインダインビングまで食も幅広いレンジで楽しめる。

 シアトル観光局によると「2022年すでに海外からの観光客は、全体で対2021年比490%の増加。2019年比では56%まで回復している。羽田・成田から毎日直航便が飛ぶ日本からの観光客増にも期待をしている」ということだ。

取材協力/Visit Seattle
コーディネート/松田京子