美食をテーマとした「美食の渓谷」を発表、462のプログラムでプロモーション、フランス観光開発機

  • 2023年6月7日

 フランス観光開発機構(アトゥーフランス)は2023年5月31日、東京で開催された記者会見において広域プロモーション「ヴァレ・ド・ラ・ガストロノミー 美食の渓谷」をアジア地域では日本で初めて発表した。これはユネスコ無形文化遺産に登録されているフランスの食文化をテーマにブルゴーニュ、オーヴェルニュ・ローヌ・アルプ、プロヴァンスの3地方が共同でプロモーションを行う。このたび来日したオーヴェルニュ・ローヌ・アルプ観光局国際マーケットマネージャーのクリスチャン・ドゥシュマン氏は「食は日本市場にとって非常に訴求力の高いテーマ。絶対に気に入っていただけるはず」と強い自信をのぞかせている。

左がドゥシュマン氏 来日した「美食の渓谷」PR関係者

 「美食の渓谷」のプログラムは2010年にフランスの食文化が「フランスの美食術」としてユネスコ無形文化遺産に登録されたことを機に計画が進められてきたが、コロナ禍などで中断し、2022年3月のフランス観光ワークショップ「ランデヴー・アン・フランス」で発表。フランス国内をはじめ、ベルギー、スイス、英国で、同年10月にアメリカで実施され、このほどアジアでは初めて、日本で発表されることとなった。

 対象となる3地方は、ソーヌ川・ローヌ川流に沿って、ブルゴーニュ地方の中心都市デイジョンからオーヴェルニュ・ローヌ・アルプ地方を経て、プロヴァンス地方のマルセイユを結ぶ約623キロの地域を結ぶ一本道の街道を構成する。20世紀以後、フランス国内観光が一般化するに伴い「ヴァカンス街道」と呼ばれる王道の観光ルートとして発展した地域だ。そのためミシュランの星付きレストランも数多く、フランス有数の食のルートとしての伝統がある。そうした地域上に厳選された462の食に関連するプログラムを設定し、旅行会社やFITの旅行者向けにプロモーションを展開していく。

 プログラムはワイナリー見学や、有名料理学校での料理体験、チーズ作り、マスタードづくりのほか、秋のトリュフ探索、ワイン生産者とのワインテイスティング、星付きレストランのシェフと行く市場巡りといった体験型や季節感、プレミアム感もある厳選された内容。さらにこれらのプログラムは3年ごとに委員会による監査を行うことで、「高品質を重視し、その維持に努めていく。小規模グループやFITを対象としているので、大型グループ向けではない。小規模グループだからこそのクオリティを維持していく」とドゥシュマン氏は話す。

 今後の情報発信は公式サイトを中心に実施。サイト内には旅行会社専用のページも設けられ、旅行会社は登録することでサイト内の情報にアクセスし、商品造成に向けた相談や情報収集が可能だ。なお「美食の渓谷」については、この会見に先駆けて、5月30日には旅行会社を対象に行われたワークショップ「Sakidori France」でも発表され、旅行会社の反応は「予想以上に好評」とドゥシュマン氏。また現在フランスの観光はコロナ禍以降順調に回復しており、コロナ禍前の2019年を超える勢いだという。「プログラム数が現在462と多彩なので、きっとそれぞれの顧客ニーズに合致するものがあるはず。消費者ニーズに応じたカスタマイズも可能な商品もあるので、ぜひ活用していただきたい。コロナ禍前の訪仏日本人客は年間約60万人だったが、このプログラムを機に、大勢の日本人に来ていただければ」(ドゥシュマン氏)。