ドバイ、「富裕層向け」イメージ払しょく、多様性アピール-路線復活に期待も
ドバイ経済観光庁からこのほどインターナショナル・オペレーションズ・シニア・マネージャーのシャハブ・シャヤン氏が来日し、都内でメディア向けのセミナーを開催した。同庁がこうしたセミナーを開催するのは6年ぶり。シャハブ・シャヤン氏は「ドバイに対する大きな誤解は、富裕層でお金がないと楽しめないと思われていること。そんなことはなくすべてのタイプの旅行者を受け入れている」と語り、富裕層向けというデスティネーションのイメージを払しょくしたい考えを示した。
同氏によれば、ドバイには世界最大の噴水ショー「ドバイ・ファウンテン」をはじめ無料で楽しめる施設があり、手ごろに利用できるメトロがあるほか、タクシー料金も手ごろで利用できるという。
加えて同氏はドバイでの家族旅行もアピール。ウォーターパークに水族館、キッザニアをはじめとしたテーマパークがあるほか、五つ星ホテルにも子供向けのサービスや特典がある点を紹介した。加えて、閑散期の夏についてはホテルやアトラクションなどで子供が無料になる「Kids for free」キャンペーンも打ち出すほか、サマーフェスティバルなどのイベントも開催する。室内スキー場をはじめ室内で楽しめるアクティビティも訴求していく。
また、シャハブ・シャヤン氏は「世界一高いブルジュ・ハリファやラグジュアリー、砂漠を含めさまざまなアトラクションがあるが、ドバイは多様なが提案ができる」と語り、美しいビーチでの滞在や、山岳地帯のエリア・ハッタ地区でのキャンプやグランピング、シェイク・モハメッド文化理解センター(SMCCU)でのエミラティ文化の体験などを紹介。高層ビルが並ぶ近未来的な都市部との対比を楽しめる点をアピールした。このほか、200以上の異なる国籍の人が暮らし、ミシュラン星付きレストランからストリートフードまで多様な食が楽しめるとした。
加えて同氏はドバイの現況についても紹介。ロシアやドイツ、中国からの訪問者数が伸び調子といい、2023年1月から3月までは前年比17%増の467万人がドバイを訪れた。2019年比でみると98%で、ほぼコロナ前に回復しているといい、2031年までにドバイを含むアラブ首長国連邦(UAE)全体で訪問者数4000万人をめざす計画だ。日本市場については前年の2倍に伸びており、「日本はとても重要な市場であり、コロナ前から訪問者数は年園増加していた」という。
同氏は4月2日からエミレーツ航空(EK)が羽田/ドバイ便の運航を再開したことに触れ「日本人訪問者数の増加に大きく寄与する」との考えを示した。日本からは女子旅、シニア層やコーポレートなどが訪問しており、滞在日数も半日増加しており、今後の戻りも期待できるという。
このほか、セミナーではドバイ経済観光庁ジャパン・マネージャーの濱口健氏が挨拶。EKの羽田/ドバイ便再開で日本/ドバイ間は週21便運航していること、10月1日からはエティハド航空(EY)が関空/アブダビ線を週5便で開設することを紹介し、「UAEへの選択肢が拡大した」と期待を示した。さらにドバイについて「ストップオーバーの短期滞在でも可能だし、夏はお得な値ごろ感、冬は温暖で年間楽しめる。日本の入国規制の撤廃でドバイの魅力と相まって渡航者の拡大に拍車がかかるのでは。ドバイの多様な魅力尾日本市場で普及してほしい」と語った。