業界ニュースを振り返る ー 詐欺罪なんじゃないんですか?
皆さん、GWはいかがでしたか?観光産業にとっては書き入れ時の連休、お忙しい方も多かったのではないかなと思います。今年はもうインバウンドの旅行者を街中で見かけることも珍しくなく、コロナからもすっかり脱したかのような状況ですし、久しぶりに明るいGWになっていると良いのですが。
さて、そんなGW中に出ていたニュースなのですが個人的にどうしても触れておかないと気が済みません。4月21日の和田観光庁長官による会見で触れられていた近畿日本ツーリストの問題です。こちらの記事が掲載された時点から情報は更新されており、過大請求の金額は最大16億円という非常に大規模なものになっています。
私は法律に詳しくないので、どういった罪状が適切なものなのかわかりませんが、普通に悪意ある詐欺罪ではないのかと素人目には見えます。これが会社ぐるみで組織的に各地方自治体から不正に税金を受け取ったのであれば、ただの返金ですむ問題ではないでしょう。代表者が刑法によって裁かれるべき事なのではないでしょうか。これがもし、一個人が個人事業主として国や地方から同じ金額を不正受給していたとすれば、返金すれば許されるということはないはずです。大企業ならばノーリスクで税金を不正受給するチャンスがあるのでしょうか?そうでないというのであれば、業界や観光庁も厳しく処罰するべきだと私は考えます。
そもそも、ミキ・ツーリストやジャパンホリデートラベル、旅工房などの不正受給の問題があり、ただでさえ旅行業界の印象が酷く悪い中で大手旅行会社によって行われたこの不正も、返金のみでお咎めなしというのは「旅行業界には法令遵守意識もありません」「試しに違法行為をしてもバレなきゃ良いと思っています」と大手旅行会社がこぞって宣言しているようなものです。
ここ10年でみても、てるみくらぶの問題にGoToの不正受給、そして今回の件と、とてもとても「旅行は安心して旅行会社にお任せください」といえないような惨事ばかりです。税金を投入してまで助けてもらった業界なのに、こんなことでいいのでしょうか。旅行会社に自浄作用があるということを証明するためにも、ぜひ必要なことはなにかJATAや観光庁には考えていただきたいところです。
訂正箇所:第4段落
誤:そもそも、HISや
↓
正:そもそも、ミキ・ツーリストやジャパンホリデートラベル、
お詫びして訂正いたします。