ランデヴー・アン・フランス2023レポートPart2 『Dream Big, Live Slow』新しいExplore Franceのキャンペーンがスタート

  • 2023年4月13日

3つの観光局インタビュー
RWC2023のトピックも

RWC2023が域内で2つ開催される稀有な地方
プロヴァンス・アルプ・コートダジュール

 「PACA(プロヴァンス・アルプ・コートダジュール地方)にとって日本マーケットは、これまで一部のハネムーナーやシニアカップルを除けば、プロヴァンスやコートダジュール地方を訪れる母娘・姉妹、女友達の小グループなど女性層が中心だった。今回のRWC2023の開催によって男性のサポーターや観光客が増えれば、ようやく男女のバランスが取れるようになるのではないか。」と、プロヴァンス・アルプ・コートダジュール地方観光局マーケティングディレクターのヤニック・ル・マガデュール氏(Yannick le Magadure)は、いたずらっぽく笑う。

プロヴァンス・アルプ・コートダジュール地方観光局ブース

 年間300日近い好天に恵まれるヨーロッパ随一の観光地、ニースが日本代表のプール戦の会場となる。9月17日(日)日本 VS イングランドについては、「最近、強くなってきている日本に対し、イングランドは若干下降気味。力が拮抗して面白い試合になるんじゃないかな。日本に一発逆転のチャンスがあるかも。」というコメント。スタッド・ド・ニース(Stade de Nice)では、日本、ウェールズ、イングランド、イタリア、スコットランドなど4試合の開催が予定されており、パリ2024ではサッカーの競技会場になる。もうひとつの会場はマルセイユのスタッド・ド・マルセイユ(Stade de Marseille)。イングランドVS アルゼンチンの他、準決勝の2試合の開催が予定されている。また、パリ2024ではサッカーとセーリングの競技会場になる。

スタッド・ド・ニース 別名アリアンツ・リヴィエラ、約36000席
©Drone 06 Architecte du stade Wilmotte & Associes

スタッド・ド・マルセイユ 別名オランジュ・ヴェロドローム、約67000席
©OlympiquedeMarseille

 域内のサスティナブル・ツーリズムの話題としては、2021年5月よりパリ〜ニース間(約1088km)に直通の夜行列車(Intercités de nuit )が復活しており、2023年4月現在も毎日運航中。フライト利用なら1時間半、TGVなら6時間、夜行列車ならその倍の約12時間かかるが、地中海を望むフレンチリビエラ沿いの駅、6ヶ所に停車し、ローコストかつCO2削減で紺碧海岸の絶景を満喫できる。エコ意識が強い若者やファミリー層を中心に人気を集めている。そして、2030年までにフランス国内で約10路線の夜行列車が復活するという。

ニースとヴィル・フランシュ・シュル・メール付近の海岸
©Le Pelley.S

 また、プロヴァンス・アルプ・コートダジュール地方観光局では、ウィンターシーズンに向けて、アルプス地方でのプレスツアーを検討中の他、11月下旬から12月初旬の時期、訪日観光ミッションを計画しているという。

プロヴァンス・アルプ・コートダジュール地方観光局ヤニック・ル・マガデュール氏、2023年末に来日予定。

RWC2023日本代表チームのベースキャンプがおかれる
フランスで最もラグビーが熱い街がトゥールーズ

 2021年、コロナ禍中の東京オリンピックは無観客だった。そしてRWC2023はアフターコロナの世界初の祝祭、超大型スポーツイベントとなる。ブレイブ・ブロッサムズ(Brave Blossoms : 日本代表チーム)は、2023年9月2日から4週間半、オクシタニー地域圏の首府トゥールーズを拠点として、ラグビーユニオン・フランス選手権(TOP14)で史上最多21回の優勝を誇る地元のラグビーチーム、スタッド・トゥールーザン(Stade Toulousain)の本拠地、エルネスト・ワロン・スタジアム(Ernest Wallon Stadium) で調整を行う。2007年のRWCのベースキャンプもトゥールーズにおかれたという。オクシタニー地域圏はフランスでラグビーが最もが盛んな地として知られており、ちなみに2019年RWC日本大会のフランス代表は、37人中11人がオクシタニー出身。RWC2023の初戦となる9月10日(日)日本VSチリ 、そして9月28日(木)日本VSサモアと、予選のプール4試合のうち2つの試合がエルネスト・ワロン・スタジアムの隣、約33500席のスタジアム・ド・トゥールーズ(Stadium de Toulouse)で開催される。

ガロンヌ河に挟まれた中洲のようなロケーションにある、スタジアム・ド・トゥールーズ。日本の初戦はここで行われる。
©Fabrice Hedreville - Office de tourisme

 「RWC2023の日本チームのベースキャンプ地になったことで、日本から多くのサポーターや観光客を迎えることになる。日仏協会会員やガイドが講師として、レストラン、ホテルやショップを対象に基礎的な接客の日本語研修を行い、居心地のよいホスピタリティ『Japan Friendly』を浸透させる他、 マルセイユ領事館やパリの日本大使館と連携による緊急時のホットラインの確保を進めている。」と、トゥールーズ都市圏集客局(トゥールーズ観光局)、アドリアン・アルメル副局長(Aderien Harmel)は語る。

アドリアン・アルメル副局長。2022年9月 来日。トゥールーズは、RWC2023開幕まであと1年を祝う 「One Year To Go」レセプションに、オクシタニー地域圏と共に協賛しホスト地方となった。

 トゥールーズは4人に1人が学生の若い街で、人口約50万のフランス第4の都市。ボーイングと並ぶ航空機メーカー最大手エアバスの本社所在地であり、航空・宇宙産業の中心地。試合の熱狂を冷ましたい時など気分転換に、「バラ色の街」と形容される美しい煉瓦造りの街並みの散策がおすすめだ。トゥールーズ市庁舎のキャピトル(Capitole)を中心に、ユネスコ世界遺産でサンチアゴ・デ・コンポステーラ巡礼路のひとつ、サン・セルナン・バジリカ聖堂(Basilique Saint-Sernin)、13世紀建造のロマネスク建築のジャコバン修道院(Couvent des Jacobins) など、全て徒歩圏内。

市民のくつろぎの場所にもなっているキャピトル広場
©Rémi Deligeon

サン・セルナン・バジリカ聖堂は現存するロマネスク様式の教会では最大級の規模
©Rémi Deligeon

 そして、2024年の第17回ランデヴー・アン・フランスは、トゥールーズで開催される。

取材協力:フランス観光開発機構

※訂正案内(編集部 2023年4月14日09時38分)
訂正箇所:2ページ目冒頭
誤:RWC2024が域内で2つ開催される稀有な地方

正:RWC2023が域内で2つ開催される稀有な地方

お詫びして訂正いたします。