FJ成田/ナンディ直行便再開を機に新料金体系設定 フィジー観光局は3年振りのセミナー開催で商品造成を訴える
フィジー政府観光局は2023年4月4日にフィジー・エアウェイズ(FJ)が成田/ナンディ線の運航を再開したことを機に、東京・大阪で旅行会社を対象としたセミナーを開催。両都市で約100人が参加した。フィジーからは観光局CEOを筆頭に、ホテル、アトラクションなどのサプライヤー11社・団体が来日し、プレゼンテーションを行った。
冒頭でフィジー政府観光局のCEO、ブレント・ヒル氏は「成田/ナンディ線再開で多くの日本人客が戻ってくることを楽しみにしている」と挨拶。アジア地域担当ディレクターのキャシー・コヤマイボレ氏は「フィジーの入国規制は全て撤廃され、コロナ禍前と同様となった。直行便再開を生かし、フィジー商品の造成をお願いしたい」と訴えた。またFJ日本地区代表の岸本洋一氏は再開した路線の詳細を説明しながら、新たに設定した4段階の新運賃体系「フライ ユア ウェイ」を発表。消費者の選択の幅を広げることで、より多くの旅行者獲得を目指す。
■4段階の新価格。アクティブシニアを中心に夏以降の予約が好調
FJの岸本氏によると、成田/ナンディ線は火・金発週2便で運航を再開し、またこれを機に、新運賃体系「フライ ユア ウェイ」を新たに設定した。これは価格を安い方からLITE、VALUE、COMFORT、PLUSの4段階に設定し、それぞれの価格に応じてサービスに変化をつけていくというもの。いずれも食事・飲み物や機内エンタテインメントといった基本的なサービスに加え、LITEは機内持ち込み荷物1つのみで機内預けはなし。VALUEは機内預け荷物1個、COMFORTは機内預け2個といった具合だ。
岸本氏によると、現在の予約状況はアクティブシニアを中心に推移しており「予想に反してLITEの売れ行きがいい。予約も夏以降が好調」という。またFJは燃油サーチャージがゼロ円であること、ノーネームでも座席確保が可能でグループの取り込みがしやすいといったメリットを強調し、そのうえで「成田/ナンディ線の再開には、本社の日本市場復活に対する強い熱意があった。ぜひ、フィジーの商品造成をお願いしたい」と訴えた。
■日本向けプロダクトを造成。FJ再開で将来的には5万人を目指す
フィジーの現在の観光市場についてCEOのヒル氏が語ったところによると、2022年は近隣のオーストラリア、ニュージーランド、北米を中心に、コロナ禍前の2019年の約72%まで復調。2023年3月までの統計も2019年とほぼ同レベルで推移しているという。
日本市場についてヒル氏は「アジアの重要市場。FJ再開を機に、まずはコロナ禍前の3000人を目標としたい。将来的にはかつてエアパシフィックが就航していた時代の週4便までフライトを復活させ、年間5万人を目指したい」と話す。今後はハネムーンやウェディング市場、若年からシニアまでのカップル、ファミリーを主要ターゲットとして、SNSなどを活用したプロモーション展開を図るとしている。
またコヤマイボレ氏によると、今回セミナーのために来日した11社は日本向けの商品を造成し、なおかつ最低3年間はその商品を日本向けにアサインすることを条件としたうえで選ばれたとし、「ビーチだけではない、フィジーの山や洞窟トレッキングなど、多様な自然やアクティビティを提供できる内容となっている。今後は好調なアクティブシニアに対しても、トレッキングやハイキング、体験プログラムの開発を考えていく。直行便就航という大きなアドバンテージを生かし、フィジーの価格価値の高さもアピールしていきたい」と意欲的に語った。