基幹産業として訪日と海外、両輪での発展を—伊藤俊輔衆院議員

  • 2023年4月12日

-与党は訪日を中心に力を入れている状況かと思いますが、どのように感じておりますでしょうか。

伊藤 一部「インバウンドばかりに占められると…」というような議論もありますが、訪日客数が復活してきたことは前向きな要素です。ただ、不安定な要素が多いのも事実で、私自身、物流関係の会社を経営していた時には日中関係で問題が生じた際に物流が止まったということがありまして、当時から政治が経済の足を引っ張っていると感じていました。

 最近では防衛費増額の問題がありましたが、個人的には防衛費の増額よりかは外交予算の増額の方がよっぽど良いと思っていて、そこには外交安全保障や経済安全保障、また、文化等の民間交流等幅広い戦略があり、インバウンドもアウトバウンドも含まれる訳ですが、隣国とは経済上も安全保障上も切り離すのではなく一緒に経済も含めて巻き込んでやっていくような体制づくりが必要と考えています。もちろん簡単なことではないですが、もっと未来志向で両国がプラスになるような判断が必要かと思いますし、その方が観光産業にとってもプラスであることは間違いないです。

-観光産業に従事する方々に向けてメッセージはありますか。

伊藤 35年低迷している日本経済において、観光が基幹産業発展していくためにインバウンドと同時にアウトバウンドとの両輪で伸ばしていかなければいけません。ただ、観光産業はどうしても何らかの影響で不安定化する業態でもあるので、良いときだけはプラスに働きかけて、悪いときは助けないといった状況に陥りやすいかと思います。ここは国会の認識を変える必要がありますが、国会の中には経営感覚がある議員が少ないので非常に難しいことでもあります。そういった意味では今後は日常平時から観光産業をどのように政治にコミットしていくかが大事になってくるポイントで、我々としては業界からの生の声がどんどん入ってくるような体制づくりをしていければと考えています。

 また、インバウンドだけ取り扱うといったような業態の場合、次にコロナと同じようなパンデミックが起きた際に影響を受けやすいので、国内や海外など色々なことをやっていくという姿勢が大事かと思います。そのために政治からなにかするべきことがあればお声を聞いた上で我々も提言ができればと考えています。