JTBらと大阪観光局、外国人患者受入一元化へプラットフォーム構築 訪日・国際医療に貢献
インバウンド復活が本格化する中、JTBは2023年4月に大阪観光局(溝畑宏理事長)とともに「大阪国際医療貢献プラットフォーム」を構築する。大阪府内の医療機関の受け入れ体制を確立し、訪日外国人旅行者が安心して大阪に滞在できる環境を整える。
訪日外国人旅行者が滞在中に怪我や病気で入院することや、大阪府内の先端医療を受診したい海外居住者のニーズに応えることが目的。コロナ前でも主要な病院で年間数百人の外国人患者が受診に訪れていたが、言語の問題や宗教や地域性によって多様な受け入れ体制が求められる上、入院費や受診料の決済などで課題が少なくなかった。こうした課題を解消し、安心安全な受け入れ体制とともに、大阪府内の病院やウェルビーイングに関わる事業者と連携し、国際医療への貢献はもちろんメディカルツーリズムの構築も視野に入れる。
そのため大阪の医療関係者、JTB、大阪観光局による「大阪国際医療貢献推進委員会」を設立。事業推進への意見・提言、海外へのプロモーション、関係事業者などへの加入促進を行う。
3月20日に開いた設立記者会見で、同委員会の澤芳樹会長(大阪警察病院)は「海外から多くの人が日本の医療を求めているが1病院、1組織では限界がある。日本がリスペクトされる国として医療で国際貢献する仕組みをしっかりつくる。ものすごく重要な仕組みだ」と設立意義を強調。
また、委員会の副会長も務める溝畑理事長は「官民挙げて情報発信、受入、患者へのホスピタリティを上げていく組織はこれまで日本になかった。大阪には幕末の適塾など歴史もある。心も身体も健康になりたいというニーズに応えていきたい」と意気込んだ。
JTBは、10年に立ち上げた医療コーディネートを行う専門部署のノウハウを生かし、医療機関への受入調整手続きから診察料の受領までのサポートや医療滞在ビザの身元保証業務などのサービスを提供する。北村豪執行役員は「滞在時のサポートも行っていく。命と健康を守るまちづくりに資するようやっていきたい」と抱負を述べた。