ウィーン、エゴン・シーレ展でイベント開催、OS復便に期待も
ウィーン市観光局はレオポルド美術館と共同で、1月26日から4月9日まで東京都美術館で開催中の「エゴン・シーレ展 ウィーンが生んだ若き天才」にともない、旅行会社向けにイベントを開催した。展覧会はレオポルド美術館の所蔵作品を中心に、オーストリアの画家・エゴン・シーレ(1890-1918)の作品50点や、クリムトなど同時代の画家たちの作品約70点が見学できるもの。東京でエゴン・シーレの大規模な回顧展が開催されるのは約30年ぶりとなる。
イベントでは来日したウィーン市観光局広報部長のカタリーナ・リース氏がレオポルトが展覧会の開催に喜びを示すとともに、ウィーンの歴史や芸術、音楽や食の魅力をアピール。「ウィーンは芸術や文化にあふれており、一例をあげると1.2平方キロメートルの中心部には30近くの美術館や博物館があり、すべて歩いて移動することができる」と説明した。
また、リース氏はプレゼンテーションで2023年がウィーン万博開催150周年であることを紹介。ウィーン万博は日本政府が初めて公式に参加した展覧会であり、日本の文化は欧州の芸術家に多くの影響を与えたとし、エゴン・シーレもその1人である旨を説明した。
同氏によれば、ウィーンでは万博150周年に伴いさまざまな展示会を開催。例えば、明治政府が万博に出品した大名屋敷の模型があるという新王宮内のウィーン世界博物館では、万博の特別展を実施。応用美術博物館ではオリエンタリズムをテーマにした特別展や、創立150周年を迎えるクリスタルの老舗・ロブマイヤーの展示が開催されるという。
さらにリース氏は、オーストリア航空(OS)が現在冬季運航中の成田/ウィーン線を5月2日から週3便で再開し、17日からは週5便に増便する計画であることについても触れ、「ぜひ皆様もウィーンにお越しいただき、いろいろな角度からウィーンを楽しんでほしい」と話した。
リース氏は本誌の取材に応え、具体的な目標値は明かさなかったものの、OSが復活する5月以降の春・夏シーズンは日も長く過ごしやすいことから、公共交通機関を活用しつつ、徒歩でのんびりとウィーンの町中を巡る旅を提案。「(コロナ禍で日本人が来なかった時期に、レストランやホテルなど新しいプロパティが次々と生まれていた。ダイナミックに動くウィーンをぜひ体感してほしい。再び日本人が訪れるのは嬉しく、期待している」とコメントした。
なお、オーストリア政府観光局によれば、2022年のオーストリアにおける日本人宿泊数は245.4%増の7万4400泊で、19年と比べると85.5%減だった。また、ウィーン市観光局によれば、ウィーンの日本人宿泊数は479.9%増の4万2373泊で、19年比87.5%減となっている。
このほか、イベントではレオポルド美術館営業部長のモーリッツ・シュティプシツ氏が登壇。「展覧会の場合作品の破損の危険があるため遠方に作品を持っていくのは制限されているが、そのなかで今回のように大規模な展覧会を開催できるのは嬉しい」と喜美を示した。
加えて、同氏はレオポルド美術館をアピール。ウィーンの中心部・ミュージアムクウォーター内にある同美術館は世界最大規模を誇るエゴン・シーレのコレクションに加え、19世紀後半から20世紀前半のオーストリア美術約8000点を所蔵。絵画に加え彫刻、陶磁器やガラス工芸品、家具などを包括的に展示しており「同時代のウィーンの生活を多面的に知るにはぴったりの場所」と語るとともに、「ぜひ観光客を連れて実際にお越しいただきたい」と呼びかけた。