アクセシブル・ツーリズム推進シンポジウムで学ぶ、未来に輝く旅行のあるべき姿[PR]
リアル&オンラインで開催、6つの視点でミニセミナーも
バリアフリー対応の商品・サービス展示や相談コーナーも開設
新たな時代への適応とビジネス再構築が求められる観光産業にとって、最重要な旅行分野のひとつがアクセシブル・ツーリズムだ。アクセシブル・ツーリズムとは、障害者や高齢者など移動やコミュニケーションにおける困難さに直面する人々のニーズに応えつつ、誰もが旅を楽しめる状況の創出と浸透を図る取り組み。国連のSDGs(持続可能な開発目標)の基本的な考え方のひとつであるダイバーシティ&インクルージョンを体現する取り組みでもある。
世界的なパンデミックという予期せぬ事態の発生を前になすすべがなかった観光産業では、あらためて観光の持続可能性を問う声が高まっている。そのなかで観光産業におけるダイバーシティ&インクルージョンの象徴ともいえるアクセシブル・ツーリズムが、観光産業全体の持続可能性を確かなものにし、SDGsの達成に貢献する旅行分野であることは言うまでもない。
もうひとつ重要な点は、アクセシブル・ツーリズムがビジネスの観点からも大きな可能性を秘めている点だ。コロナ禍後の観光産業の復興にあたって、より幅広い市場から安定的な収益の確保を目指さねばならない観光産業にとって、アクセシブル・ツーリズムはまさに期待の旅行分野と考えられる。世界保健機構(WHO)によれば身体・精神などの何らかの障害と共に生きる者は世界の人口の15%を占め、一方で高齢化も世界中の多くの国々で急速に進んでいる。これに伴い障害者や高齢者が多くを占めるアクセシブル・ツーリズムの市場規模はすでに1兆円を超えており、今後は3兆円規模に達するとの試算もあるほどだ。このような市場規模の拡大は、ビジネスチャンスの増大を伴って進行していくことになる。
東京都ではアクセシブル・ツーリズムの重要性に鑑み、「障害者や高齢者など誰もが快適に観光できる東京へ!~TOKYO行きたいところへ行こう~」をスローガンに、観光や移動に関連するサービスや施設のバリアフリー化の推進に取り組んでいる。またアクセシブル・ツーリズムに取り組む観光関連事業者への支援や、アクセシブル・ツーリズムの社会的な啓蒙活動にも取り組んでおり、その一環として東京都では「アクセシブル・ツーリズム推進シンポジウム」を2017年から主催。今年も1月23日にシンポジウムを開催する。
コロナ禍以降はオンライン開催だったが、今回はリアル開催が復活。リアル開催の会場は東京・丸の内の東京商工会議所「Hall & Conference Room」。これまで通り参加無料で、定員は300名(事前申込制)となっている。
またオンライン参加も可能でリアル開催の内容を同時配信で視聴できる。加えて2月28日まではアーカイブ配信を行い、当日に参加もしくは視聴できなかった場合でも、あとから内容を学べる仕組みだ。
「アクセシブル・ツーリズム推進シンポジウム」の基調講演にはオリィ研究所所長の吉藤オリィ氏が登壇。「分身ロボット『OriHime』が可能にする、コロナ禍における新たな社会とのつながり方」をテーマに講演する。
吉藤氏は、身体性の限界を乗り越えられる分身ロボット「OriHime」や、ALS等の患者向けの意思伝達装置「OriHime eye+switch」、車椅子ユーザーに利用されるバリアフリーマップアプリ「Wheelog!」、寝たきりでも働けるカフェ「分身ロボットカフェ」などの開発を手掛けてきた経験をベースに、人と人、人と社会とのつながりのあり方について考察する。
基調講演に続くパネルディスカッション「観光産業再興の未来を拓くアクセシブル・ツーリズム」では、障害者の権利保護と社会参加の機会平等を目的に活動するNPO法人「日本DPI会議」事務局長の佐藤聡氏、日本航空出身で現在は高齢者・障がい者の旅をサポートする会の専任講師を務める栗木敏男氏、世界のアクセシブル・ツーリズムにも詳しい日本インバウンド連合会・理事長の中村好明氏がパネリストとして登壇。アクセシビリティ研究所主宰の川内美彦氏がモデレーターを務め、日本におけるアクセシブル・ツーリズムの可能性について議論する。
最後のプログラムとなるミニセミナーでは、アクセシブル・ツーリズムをさまざまな観点からひもとくため、6つの視点からセミナーを実施。ユニバーサルデザインの専門家や、車椅子での独り旅の実践者、ブラインドサッカーの元日本代表キャプテンら6名の専門家が、それぞれの視点でアクセシブル・ツーリズムについて語る。
このほか展示コーナーでは、車椅子での移動をサポートする旅行サービスの紹介、観光施設でのバリアフリー対応の情報提供などを行う。また相談コーナーでは、都内事業者を対象に事前予約制でアクセシブル・ツーリズムに関するハード面やソフト面、補助金等についての相談を受け付ける。オンライン相談にも対応する。