進化を続けるカンクン

　観光客増加に伴い、カンクンでは多くのプロジェクトが進んでいる。現在、空港付近からダウンタウンへの国道307号線は大規模な全面舗装改装工事が進められ、2023年10月に完了を予定している。また、ホテルゾーン（HOTEL IBERSTAR付近やRIVIERACANCUNゴルフコース付近）には新しいホテルも建設されている。

大規模な舗装の改装工事が進められる国道307号線

新しいホテルも建設中

　近年最大級のプロジェクトとしては、ダウンタウンからホテルゾーンに橋を架けるプロジェクトが進められている。ダウンタウンMALECON（マレコン）地区からホテルゾーン内KUKULCAN PLAZAショッピングモールまでの約9kmをつなぐ計画で、この「Puente Nichupte（ニチュプテ橋）」は2024年に完成する予定だ。

変化を続けるメキシカンカリブ、新エリアも登場

COSTA MUJERES
　カンクン北部のCOSTA MUJERES地区には大型オールインクルーシブホテルが建設され、新しいリゾートとして注目を浴びている。スペイン系PARADILLUMグループでは新たに1,000室の増築が予定されている。他にもPLANET HOLLYWOODホテルやRIUグループも稼働率の高いホテルだ。ホテル宿泊客は目の前に広がる広大なビーチでのんびりとリゾートライフを満喫できる。

KANAI
　カンクンより南へ65kmのKANAI地区には新しい高級リゾートエリアが開発されている。メキシコ女子ゴルフ界のレジェンドLORENA OCHOA氏がプロジェクトに参加している18ホールゴルフコースや、高級ホテルPARK HYATT、ST.REGIS、AUBERGE RESORTなどのホテルが建設中だ。現在人気の高いMAYAKOBA地区と同様、高級志向をターゲットとしたビジネスの展開を計画している。

米国ゴルフトーナメント
　2007年より開催されているMAYAKOBA CLASSICは、年1回、11月の開催をゴルフファンも心待ちにする大会だ。近年、米国ゴルフ界はPGAツアーとLIVゴルフに団体が分かれて物議を醸しているが、2023年は2月にLIVトーナメント、11月にWWTチャンピオンシップと、2大トーナメントがエルカメレオンゴルフコースで開催される。

エルカメレオンゴルフコース（イメージ）

トゥルム空港建設
　現在、当地付近の国際線の発着空港はカンクンおよびコスメルのみとなっている。リビエラマヤおよびトゥルム方面に宿泊する場合はカンクンが最寄り空港となり、移動は約2時間。南方に宿泊する旅行者の移動の手間を省くため、トゥルム方面には空港建設が予定されている。具体的な計画は発表されていないが、国の認可も下り、近日発表される予定だ。

マヤ鉄道
　メキシコ一大プロジェクトとしてユカタン半島にマヤ鉄道の運行計画が上がり、現在工事が進んでいる。完成すると全長1,500km超える長距離鉄道となり、ユカタン半島に点在するマヤ遺跡を列車で訪れることができる。完成予定を来年と計画しており、建設は急ピッチで進んでいるが、今の状況を見る限り、完成にはまだ2、3年はかかるのではないかと肌で感じている。安全を優先して、素晴らしいマヤ鉄道が観光客、市民の足となることを願う。

マヤ鉄道の工事現場

　カンクンをはじめ、プラヤデルカルメン、トゥルム、コスタムヘーレスなど開発が進むこの地はまだまだ進化し続けている。新型コロナで観光業は大きな打撃を受けたが、民官が力を合わせ新しく、また大きく成長したリゾートの姿を見る日は近い。

カンクン市内はクリスマスのデコレーションで彩られている