シドニー、MICE回復へいち早くキャンペーン、サステナビリティも取り組み強化
サステナビリティの取り組み強化、クライアントにより良い選択肢提示
世界の旅行観光産業における現在の最大の関心事はサステナビリティだが、現地でも「州政府や市、そしてBEシドニーにとって非常に大きな重点分野となっている」状況。そのため、現状でクライアント側の意識はまちまちであるものの、BEシドニーとしてはイベントで発生する二酸化炭素排出量をオフセットしたりビーチクリーニングなどの社会貢献的アクティビティを組み込んだりすることで、よりサステナブルなイベントやインセンティブを実現できるフレームワークの構築を進めているという。
ベニューやサプライヤーでも取り組みは進んでいる。ICCシドニーの例ではイベントの卓上に配置されるセンターピースについて一般的な生花の代わりに果物や野菜を美しく飾り、イベント後にはそれを回収して調理し必要とする人々に提供する選択肢を用意。テーブルにセンターピースを置くのであればどちらを選んでも費用は変わらないため、追加費用なく好影響を残すことが可能だ。
ニコルス氏は、「クライアントによって意識に差はあると言っても、こうした選択肢を提示することでより良い選択のお手伝いをすることもできる」と意義を説明。今後は、「環境面を含めイベントによる社会的インパクトについて予め目標を定め、期間中も状況を追跡し、終了後にレポートするといった役割も果たしていくことになる」との考えだ。
イベントベニューなどインフラ充実、ホテルも続々
現地の最新情報では、新プロダクトやアクティビティを紹介。例えば2019年12月に路面電車「ライトレール」にシドニー中心部を走る新路線が開通し、ICCシドニーやランドウィック競馬場、観光名所と市内の往来の利便性が向上。またニュー・サウス・ウェールズ州立美術館ではこの12月3日に新館が誕生した。旧館と合わせて多様な用途に対応可能なイベントスペースを提供する。ベニューはランドウィック競馬場内の新設会場やキャプテン・クッククルーズの最新ヨットなどでも充実している。
さらに、オペラハウスの大規模改装が完了し音響やアクセスが大幅に改善したほか、南半球最大の鮮魚卸売市場シドニーフィッシュマーケットも2024年の完成を目指し再開発中。2026年にはウェスタン・シドニー空港が開業予定だ。
このほかラグジュアリーホテルも350室のクラウン・シドニーが2020年12月に開業しており、さらに来年も550室のWシドニー、274室のカペラホテルシドニーのオープンが予定されている。