マレーシア、観光代表団が来日「日本市場の観光プロモーション再開の第一歩」-ワーケーション、ロングステイなどアピール
マレーシア政府観光局は11月22日から27日に東京、名古屋、福岡、大阪の4都市で「マレーシア・セールスミッション2022」を開催した。現地からサラワク州観光省、ランカウイやパハン州のホームステイ協会やツアーオペレーターなど12団体、27人の旅行業界関係者が来日し、ロングステイや田舎でのホームステイ(カンポンステイ)など、ワーケーションの目的地としてのマレーシアをアピールした。
現在、マレーシアの入国制限は全て撤廃され、コロナ禍以前の状況と変わりなく入国が可能となっている。コロナ禍前の2019年にマレーシアを訪れた日本人観光客は42万4694人、観光消費額は5億400万米ドル(約754億4006万円)でマレーシアの観光市場にとって常にトップ10に入る重要市場の一つ。来日したマレーシア政府観光局会長のタン・スリ・ドクター・オン・ホン・ペン氏は今回のセールスミッションを「日本における観光プロモーション再開の第一歩」と位置づける。そのうえで今回のセミナーでは日本人に評価の高いロングステイ、カンポンステイに関するプログラムや、さらに昨今注目が集まっているワーケーションをテーマとし、長・中期滞在のデスティネーションとしての可能性をアピールした。
ロングステイプログラムでは、5年ごとに更新が可能なビザ「マレーシア・マイセカンドホーム(MM2H)プログラム」について紹介。これは外国人向けのロングステイビザのプログラムで、申請条件を満たすことで5年ごとに延長が可能。配偶者や21歳未満の未婚の子供など、家族を連れていけるのも特徴の一つだ。日本人のロングステイ承認件数は2019年までは第2位で、マレーシアMM2H代理店協会のアンソニー・リュウ氏は「再び多くの日本人の申請があることを期待している」と語る。またサラワク州観光局ダイレクターマーケティングのメリー・ワン氏も、同州のMM2H申請数は日本が第5位であることを挙げ、「サラワク州はビザ申請の手数料が比較的安い。ぜひ勧めていただきたい」と語った。
このほかマレーシア政府観光局マーケティングマネージャーの佐伯道子氏は昨今世界各地で申請受付が始まっているノマドビザ(リモートワークやITなど特定技術を持つ個人事業主を対象とした滞在ビザ)について、マレーシアでは年収などの条件が比較的高額でなく申請しやすいといった特徴を紹介。さらに近年注目が高まっているワーケーションについても、2週間のモデルプランを紹介しながら、マレーシアの近さ、日本との時差が1時間で仕事がしやすい、物価が安いなど、マレーシアならではのメリットを紹介した。
またカンポンステイは文化体験や交流を通して経済循環を促進する旅で、修学旅行やFIT旅行、語学研修など、「目的に応じた利用が可能。フレキシブルに対応できるところもあるのでぜひ相談していただきたい」と関係者は口々に語っている。