業界ニュースを振り返る ー ランキングから見える海外旅行需要回復
私は今絶賛全国旅行割を利用して旅行中です。来年頭も割引率が落ちるとはいえ継続するらしく、消費者としては非常にありがたいこの施策ですが、柴田氏のコラムで柴田氏が書かれていることや、ついているコメントを読ませていただくと業界内の様々な声があることがわかります。
私も正直に言えば、これは需要を先食いしているなという気がします。少なくとも私は旅行割の間に散財しすぎているし、しばらくは旅行に行かないだろうなと思っています。ただ、私の場合旅行割があったからこそ何度も短期間で旅行に行ったわけで、なければこんな頻度では国内旅行には出ていません。そういう意味では需要喚起も確かにされています。友人の中にも、普段は旅行に行かないけど今回は安いみたいだから行ったというのもいて、ないときよりは業界に確実にプラスであろうとも思います。
しかし、これまでも何度か私自身このコラムで触れましたが、やはり制度として問題が多すぎるとも思います。事務局の不手際の多さ、ユーザと施設のミスマッチ、現場でのトラブルなどなどを考えると、業界の現場にとっては賛同できないところが多々という感じでしょう。最も、事務局で儲け会社としても現場の苦労を置いておけば売上が上がるのだとすれば、大手の経営層からすればやってもらえるに越したことはないくらいのものでしょうし、オーバーツーリズムなんて概念もこんなときだけは都合よく忘れて、コロナ渦での赤字を少しでも取り返せといった感じでしょうか。一年くらいたったらお偉方は「オーバーツーリズムが……」「限りある旅行資源を……」と言っているかもしれませんが。
毎週毎週旅行支援ばかりに触れてしまっていますが、今週のランキングは7位と8位にハワイの記事、10位にはグアムの記事と、海外旅行の需要の回復を想起させるランキングになっています。私の周りにも海外旅行に行く方々が増えてきて、Instagramは海外での投稿だらけです。私も是非行きたいところですが、現実的にはこの円安と燃料高では厳しい……行けてもアジアかなというお値段の今日このごろです。しかしハワイやグアムに行くのにそのくらいの出費増は気にもとめない方々が世の中にはいっぱいいますし、そういう方々にアプローチできるタイミングが来ただけでも旅行業界からしたらありがたいことでしょう。まだまだコロナとは戦う必要がありますが、海外旅行に普通に行ける日々がもう見えてきました。