ハワイからヒルトン総支配人来日、「23年には日本市場回復」-ターゲットごとに滞在プラン、マラマハワイも

  • 2022年11月14日
(左から)ヒルトン・ハワイアジア地区営業本部長の松田光裕氏、ヒルトン・ハワイ総支配人のデビ・ビショップ氏

 ハワイからヒルトン・ハワイ総支配人を務めるデビ・ビショップ氏が来日し、本誌のインタビューに応じて日本市場の現状や今後の見通しを語った。同氏は「日本市場は近い将来を含めて必ずビジネスチャンスがある」と強調。円安や物価高などのマイナス要因に懸念を示しながらも、「日本人の戻りはゆっくりだが、2023年には必ず戻ると考えている。特に夏は増えると思っており、楽観的にみている」と話した。なお、ビショップ氏はオアフ島の「ヒルトン・ハワイアン・ビレッジ・ワイキキ・ビーチ・リゾート」と「ダブルツリー・バイ・ヒルトン・アラナ-ワイキキ・ビーチ」、ハワイ島の「ヒルトン・ワイコロア・ビレッジ」の3ホテルを統括している。

 同氏によればコロナ以降、ハワイのヒルトン3ホテルは2019年比で顧客が減少。ところが2020年後半から米国本土からの旅行者を中心に徐々に回復してきており、2021年夏と今夏は混み合ってきたという。同氏は「ハワイの場合、当面需要の中心は米国内の客になると思うが、そのほかは23年には戻る」と自信を示した。

 日本市場についてはハネムーナーやファミリー層が数は少ないまでも戻ってきているところ。ビショップ氏は「日本にとってハワイはトップディスティネーションであり、日本人はハワイが好き」であることからハワイ旅行への潜在需要は高いとの見方を示した。

ヒルトン・ハワイアン・ビレッジ・ワイキキ・ビーチ・リゾートの名物といえば花火

 今後はファーストタイマー、リピーター双方をターゲットとし、特にブランド力が高く認知されている「ヒルトン・ハワイアン・ビレッジ・ワイキキ・ビーチ・リゾート」では「女子旅」「ファミリー旅」「シニア旅」「ロマンス旅」を取り込みたい考え。「リゾートホテルで過ごす極上一日プラン」としてターゲットごとに特別プランを設定し、旅行会社や消費者にアピールしていく。例えば女性3人の女子旅では、タパ・タワーのトリプルルームに宿泊し、朝ヨガを体験。ビーチアクティビティを楽しんだ後はホテル内のショップやブティックでショッピングし、サンセットクルーズに参加した後、今年6月から再開した、毎週金曜日に開催される花火ショーを楽しむプランを提案する。

 旅行会社との関係については、引き続き協力して旅行商品の造成や体験プログラム作りに取り組む考え。ビショップ氏は「オンラインや直販ではできないクリエイティブで斬新なプランを、旅行会社やホールセラーと協力して作っていきたい」と意気込みを示した。そのために各ホテルでできることを旅行会社に積極的にアピールしていく方針。ビショップ氏は「例えばヒルトン・ハワイアン・ビレッジ・ワイキキ・ビーチ・リゾート内にはたくさんの小売店がありショッピングが楽しめる。日本へのお土産も買える」とアピールした。

マラマハワイに協力、サステイナブルツーリズムへの取り組みも

デビ・ビショップ氏

 また、ビショップ氏はサステイナビリティへの取り組みとして、ハワイ州観光局(HTJ)が進める「マラマハワイ」にも積極的に協力している旨も語った。具体的には宿泊と体験を組み合わせたパッケージプランを提供しており、たとえばヒルトン・ハワイアン・ビレッジ・ワイキキ・ビーチ・リゾートでは5連泊すると1泊分が無料になり、クアロア・ランチのタロイモ畑での農作業体験などを含む「マラマ体験ツアー」を無料で提供する。

 さらに、同氏はヒルトン・ワイコロア・ビレッジが全世界のヒルトンの中で初めに紙ストローを導入したホテルであることを説明。今後もハワイの各ホテルでビーチクリーンアップなど、環境に配慮した取り組みを継続していく考えを示した。その上でビショップ氏は「日本からのお客様には環境に優しいということは何かを考えていただきつつご協力をお願いしたい」と要望を語った。