今週の人気ランキングで、私が一番興味深かったのはJNTOの高付加価値な旅行者誘致に関する記事です。

　私個人としては、アドベンチャートラベルこそが旅行会社が求められる本質を提供するものだと思っています。アドベンチャートラベル自体に関する話ばかりすると話が逸れるのでここではあまり触れませんが、旅行に行くときにコスパだけ考えるのであれば旅行会社を使わなくても自分で飛行機とホテルを取ってしまえばいいというのは、多くの人にも同意いただけると思います。そして、個人での手配より大きな付加価値を提供できないと薄利多売を目指すしかなくなるわけです。これは結局労働集約的な事業にしかならず限界がありますし、その結果が今の観光産業だと思います。

　ネットが普及する以前の旅行会社ならば、そのような形でも旅行会社が提供する付加価値は大きかったと思いますが、残念ながら現代ではそうではありません。それでも今の薄利多売の旅行ビジネスへの需要がすぐになくなるとも思いませんが、右肩下がりになるという予想は、そんなに突飛なものでもないでしょう。もはや遅いくらいかもしれませんが、高付加価値な旅行を提供する層が今よりも圧倒的に厚くなる必要があると思います。

　ただ、宿泊施設などのハードを提供するならともかく、旅行での高付加価値はかなり難しい。なんせ今はネットで調べれば色々な情報が手に入る時代です。そのレベルであれば旅行会社に頼む必要がないわけですから、それ以上の何かを提供するときにアドベンチャートラベルはそれの答えの1つだと思っています。もちろん、地方でできるできない、しようにも伝手があるなしなど色々と個別の問題はあるでしょうし、そもそもアドベンチャートラベルにおける「スルーガイド」ができる能力のある旅行従事者がどれだけいるのかという大きな問題はありますが……しかし参入障壁が高く厚く、そして需要が見込めるわけですから、提供できるようになれば先が明るい可能性は高いです。ご興味を持たれた方は是非アドベンチャートラベル大全を一読ください。