travelvision complimentary

業界ニュースを振り返る ー Z世代の要望はあまりにシビア

 さて皆様、全国旅行割も再開しましたがいかがでしょうか?業務が急に忙しくなった方、個人で利用して国内旅行を楽しむ方、何も関わりがない方といろいろでしょうか。私はオダギリサトシ氏の活用とは逆で、対象にならないタイミングで予約していた宮城に先週末から行っていました。予約し直して対象プランに切り替えても良かったのですが、取っていたホテルなども以前予約していたものより値段が上がっていて支出が変わらず、じゃあホテル側の手間になるしと利用しませんでした。そして今も、以前から予約していた岡山に、全国旅行割と関係なく行きます。この原稿も行きの電車で書いているのですが、駅もホテルもめちゃくちゃに混んでいます。良し悪しは置いておいて、これだけの人たちが旅行に行くのは確かに、観光産業にとっては経済的にプラスでしょう。

 さて一方、国内旅行の次は海外旅行と行きたいところですが、Z世代の求めるものはなかなかにシビアそうです。私は世代としては一応ミレニアル世代にあたることも合ってか、賛同するような意見はほとんどありませんでした。特にパッゲージツアーを優先的に選ぶ点やSNSを行き先決めの重要指針にするなどはイマイチ想像もつかないですが、これが世代の移り変わりなのでしょう。

 一方で、求める価格が20万アンダーというのはなかなか厳しい。欧州やアメリカは全部難しいでしょう。円安ですし、燃料も高い今はなおさらです。このことから逆説的に予想できそうなのは「SNSで集客できるのは若くてあまりコストを払えない層が多数」かもしれないということです。そうなると、実はSNSマーケティングをするべきはアジア圏の国や日本国内ということになります。

 もちろん、各年代がSNSを参考にする程度や旅行への予算を調べないといけないとは思いますが、そもそも私のような若輩者も含め、あまりお金を使えない若い層は旅行という高単価商品のターゲットとしてはあまり美味しくはないでしょう。その上で丁寧なケアまで求められるならば、旅行会社に旨味はほとんどありません。Z世代を狙う旅行商材を作るのは、今は時期尚早な気もします。

 あと、これは極めて個人的な意見ですが若い人には利便性などが保証されていない旅行にも是非行っていただきたいところ。なんとなくの感覚的なものですが、パッケージツアーで旅行を楽しむことはできても旅を楽しむことはできない気がします。あえての不便を楽しむ、ハプニングを楽しむというのはある意味旅の一種ですし、個人的にも忘れられない旅の思い出はいっぱいあります。旅には旅の醍醐味がありますし、若い間に是非とも経験してほしいものです。