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全国旅行支援よりも望むこと-KYOTOyui 近藤芳彦氏

  • 2022年10月24日

 今回一番お伝えしたい!そして皆さんにお聞きしたいのは、これからの日本の観光産業にとって「やるべき使命」、「与えられた仕事」とは何かということです。

 私は1回目と2回目の寄稿で京都府相楽郡和束町について書かせて頂いていた通り、今後の地域活性化を導くきっかけ作りは観光産業が担う仕事だと思っております。そして日本の観光産業を担う私たちは、日本という美しい国、歴史ある国、脈々と受け継いだ文化が根付いている国、という場において仕事をさせて頂いている自覚を持つべきだと思っております。

 また世界をリードする国であって欲しいし、このような素晴らしい日本という国は世界中探してもない国だ!というプライドも持つべきだと思っております。私は「三方良し」「和をもって尊しとなす」や武士道の精神にある7つの徳「義」「勇」「仁」「礼」「誠」「名誉」「忠義」を、新たな令和の時代だからこそ重んじて行動するべきだと考えております。

 私は武士道にある「7つの徳」1つ1つが大切ですが、「名誉」とは、「自分に恥じない生き方をする」、そして「忠義」とは、上の立場の人間に盲目的に従うのは本当の忠義ではなく、人間が間違った道に進もうとしているときに、下の人間は命を懸けても進言して正しい道に進ませようとすることが大切だと思っております。

 いまの時代、日本人の心や礼儀礼節、道徳や文化が失われていると外国人から聞くことがあります。もう一度何のために観光業が必要なのか?やるべき使命はなにか?を問い質していく時代だと痛切に感じています。

 いま私が感じていることとして、儲け主義や事なかれ主義など先に挙げた「武士道」に反することが多くなされていると感じております。もう一度原点に返って「お陰様」「感謝」などの気持ちを持ち、観光業として地元良し(=地域の方々が経済的に潤う)、観光客良し(=行って良かったと思っていただきリピーターになる)、そして観光業良し(=やって良かった喜びを持てる)の精神で行いたいと思います。そんな日本の魅力を復活させることで、世界をリードする観光立国が実現すると信じております。

 皆さんはどのようにお考えでしょうか?ぜひご一緒に、これからの日本を背負う観光産業の立て直しを行うために、良い方向になるよう国に対して訴えかけを行い、各地域の産業活性化を導く役割は観光産業が担うのだ!と自治体にも働きかけ、武士道の精神でお手伝いをさせていただきませんか?

近藤芳彦
KYOTOyui代表取締役。トラベル京都代表。京都観光おもてなし大使。1972年3月生まれ、大阪トラベルジャーナル旅行専門学校卒業後、旅行会社に3年ほど勤めるが、結婚を機に退職し、その後は他業種に就いたものの2006年に旅行業を立上げ、2016年には法人の観光業を営んでいる。趣味は「旅×仕事」です。