【マレーシア現地レポート】観光地を訪問し考えるSDGs、多民族・多様性が留学人気にも
近年、観光でもサステナブル、SDGsなどのキーワードが当たり前になってきました。ここマレーシアでは歴史的背景から多様性や異なる文化を認め合う多文化共生が根付いています。今回のレポートではマレーシアの多様性やSDGsを紹介したいと思います。
宗教観や価値観について理解を深める、クアラルンプール近郊のモスク3選
「人と人は違って当たり前、異なる価値観があることを知ろう」
マレーシアは言語、宗教、食事、生活習慣など多様な文化が共生しマレーシアならではの独自の文化を持ち、お互いの価値観を認め合い共存する社会です。マレーシア人の約70%がイスラム教徒で、お祈りは日出、正午、午後、日没後、就寝前の5回おこないます。 また、金曜日はイスラム教にとって特別な日とされており、金曜日の正午のお祈りは礼拝所に集まってお祈りします。その為マレー系の多い役所や郵便局などは12時から14時30分の間、閉まっていることもあります。
日本では馴染みのないイスラム教ですが、モスクを訪問することもその宗教観や価値観について理解を深める1つのきっかけになるでしょう。異教徒の観光客でも内部に入る事が出来るクアラルンプール近郊のおすすめモスクを3つご紹介します。
コタキナバルのマングローブは温暖化防止に重要な役割
「自然との共存を考える」
地球の温暖化で、世界中でこれまでとは違う自然災害が多く起こっております。そんな中、温暖化を抑える重要な役割を持っているのがマングローブです。マングローブは、温暖化の原因と言われる大気中の二酸化炭素を取り込む大事な役割をもっています。また、津波が発生した場合に防波堤の代わりとなり被害を食い止める役割もします。さらにマングローブの湿地帯は、エビやカニなどに豊富な栄養を提供する場としても活躍しています。
コタキナバルでは特に教育旅行にお勧めのマングローブについて知識を得られる場があります。1つは「コタキナバルウエットランド」。マングローブについての説明を受けて、植樹をすることもできます。
もう1つは、ボルネオ島の固有種でもあるテングザルを探しながらの「マングローブクルーズ」。こちらはコタキナバル市内から2時間ほど離れたボーフォートという村で、マングローブクルーズをしながらテングザルを探します。固有種のテングザルも年々減少しつつあることを踏まえて、自然と共存する野生動物についても深く考えさせられる場でもあります。
多文化共生と平和のシンボル、ユネスコ世界文化遺産ジョージタウン
「お互いの文化や生活習慣をリスペクト、共に暮らし良い街を作り上げる」
ジョージタウンの中心に「ハーモニーストリート」と名付けられた通りがあります。この通りの本来の名前はカピタンクリンモスク通り。300メートル程の通りにキリスト教会、観音寺、ヒンズー教寺院、モスクが立ち並びます。1786年〜1957年までイギリスの植民地だったマレーシアは、イギリス東インド会社の貿易の拠点だったジョージタウンに貿易商人のアラブ人や華僑が移り住みました。またゴム園やスズ鉱山で働くためにインドや中国からの労働者も移住し、コミュニティを作り暮らし始めました。
このように違う宗教、西洋と東洋の文化が融合しつつ、それぞれの民族が独自の文化を守り共生している地域は、多文化共生と平和のシンボルということで、2008年にこの地域一帯がユネスコ世界文化遺産に認定されました。さらにワイヤーアートや壁画アートが点在し、古いプラナカンハウスを改装したお洒落なカフェが増え、歴史的建造物とモダンアートが一体化したユニークな街並みを作り上げました。インスタ映えスポットとして国内からも多数の観光客が訪れます。
街、自然、世界遺産、食文化をとっても多様性に溢れるマレーシアは、個人旅行のみならず、教育旅行や研修先、留学先としても注目を浴びています。