モナコ、ラグジュアリーと歴史・文化をアピール、従来のイメージから脱却しコロナ後に選ばれる旅行地へ
このほどモナコ政府観光会議局は東京都内で旅行会社やメディアを対象とした3年振りの対面観光イベント「モナコ旅 in Tokyo 2022」を実施し、約150人が参加した。イベントでは新たにリリースした日本語のホームページや、歴史や文化といった切り口、さらにモナコにおける自然環境に配慮した観光の取り組みなどを紹介し、コロナ禍後に選ばれる旅行地としてのモナコの魅力をアピールした。
ステレオタイプのイメージから脱却、日本語サイトで情報を発信
イベントでは、まず次期モナコ公国特命全権大使のディディエ・ガメルダンジェ氏が登壇し「ぜひモナコを訪れ、モナコならではのユニークな体験をしていただきたい。皆さんを全力でお迎えする準備をしてお待ちしている」と挨拶した。
続いてモナコ政府観光会議局日本事務所ディレクターのシルベスタ典子氏が「モナコへの関心はコロナ禍前に徐々に高まりを見せており、2019年の日本人宿泊者数は、対前年比130%を記録していた」と述べた。しかし程なくコロナ禍となり、観光局では日本人向けの情報に特化した日本語の公式サイトやアプリの制作など、「モナコの情報に即座にアクセスできる環境を整備し、情報発信につとめた」という。
今後について、観光局では従来のラグジュアリーなイメージに加え、12世紀から続くモナコの歴史や、100年以上の歴史がある海洋博物館、世界的に評価の高いモナコ・モンテカルロ・バレエ団やオペラ座といった文化的な切り口もアピールしていく考え。「従来の『F1』『カジノ』『グレース・ケリー』に代表される、ステレオタイプのイメージから一歩踏み込んだモナコをテーマに、観光プロモートをおこなっていく。パンデミック明けに、特別な人と行く旅先として選ばれるデスティネーションでありたい」とシルベスタ氏は語った。
大公主導のもと、持続可能な観光開発の取り組みに注力
イベントではモナコが現在、アルベール二世大公のイニシアチブのもと取り組んでいる環境保全のための政策、持続可能な観光開発についても紹介された。その指針となるのがモナコ政府と様々な観光分野のステークホルダーが協力してまとめ上げた「サステナブル・ツーリズムに関する白書」で、今後の観光業のリカバリー政策のガイドラインともなるものだ。
この指針のもと、モナコでは例えば電力の20%が海洋発電による再生可能なエネルギーの利用や、CO2の削減に取り組むなど、具体的な活動を進めている。観光客向けにはレンタル可能な電動自転車や電気自動車などの利用など、環境に配慮したモナコならではの過ごし方が体験できるという。
なおモナコでは現在はPCR陰性証明やワクチン接種証明は不要であること、一部医療機関を除きマスクの着用義務も撤廃されているほか、日本帰国前のPCR検査が必要な場合はホテルへの出張検査が可能となっている。