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【タイ現地レポート】入国事前手続き撤廃で日本人旅行者急増、大麻合法化による影響は?

  • 2022年8月25日

大麻合法化、日本人は注意が必要

 今年6月9日、タイがアジアで初となる大麻の合法化を制定しました。筆者がタイに帰国したのは6月11日なので合法化した当日の街の様子は見れませんでしたが、数日後にはバンコクの街中でいくつもの大麻ショップが営業していました。以前から医療用目的での使用が解禁され、CBDというリラックス効果のある成分は違法ではありませんでしたので、カフェではCBDを抽出したコーヒーなどが提供されていましたが、今回の解禁で乾燥大麻がそのまま店舗で売られています。合法化したとたん急に街中に乾燥大麻が売られていることから想像がつくと思いますが、以前から現地の一部の人達は大麻を自宅の庭で栽培し、警察も厳しく取り締まっていませんでした。

パタヤの大麻ショップ


 筆者は観光地パタヤにある大麻ショップに行ってみました。英語の流暢なタイ人スタッフが丁寧に品種の説明をしてくれます。また隣のブースでは吸引グッズがあり、その場で購入した大麻を吸うことが出来ます。初めて吸う人は吸引器での吸い方がわからないと思いますが、スタッフが吸い方を教えてくれるようです。

品種のメニュー。お酒のように沢山種類がある。


 客層は欧米やタイの若者が多い印象ですが、日本人グループも一度見かけました。また、大麻の吸引体験をインターネットで配信する日本人Youtuberが多くいますが、日本の法律上、たとえ海外の合法化した地域で所持した場合でも日本の警察は日本の法律を適用して逮捕出来るようです。ですが現実的には世界中で大麻の合法化が進められており、日本の警察の指示を受けてタイの警察が日本人旅行者が大麻を所持しているところを逮捕するのはあまり現実的ではないかもしれません。ですが、日本に帰国する際には乾燥大麻は当然のこと、大麻の成分が入った食品などを持ち帰れば逮捕されます。

吸引ブースの様子。日本人には馴染みのない器具が並んでいる。


リモートワーカーのタイ移住がブーム、永住には不向きな人もいる

 コロナで多くの人の働き方が変わりました。特にWeb業界などはフルリモートで仕事が出来る環境になったという人もいます。以前は定年退職した独身男性にタイ移住は人気でしたが、特に最近はTwitterやYoutubeを中心に発信している著名なインフルエンサーが続々とタイに移住したという話を聞きます。タイに移住して4年の筆者が思うに、男女問わず独身の若者でフルリモートで働けるのであれば非常に魅力的です。ビザの取得が比較的容易で、生活費を抑えることが出来、若くして海外の文化に触れることが出来ます。時差も2時間差なのでリモートワークする上であまり支障はありません。

ピピ島ビューポイントからの眺め


 経済的理由からタイは移住するに適した国ですが、永住するに適した人はごく僅かだと思います。子供の教育を考えると、日本語や英語を学んで欲しい場合、日本人学校やインターナショナルスクールに通う必要があり費用も日本より高くなります。また定年後、持病があるのであれば社会保険が適用される日本に住む方が良いでしょうし、家族の介護が必要になることもあります。そう考えると若い独身世代が海外に移住するのに一番適した年代だと思います。筆者も25歳で移住を決意しました。若いうちに数年間だけ移住してみるというのもアリだと思います。その後やっぱり日本が好きと思ったらまた日本に帰って就職するということも出来ますし、また新たなキャリアが見つかるかもしれません。

最後に

 今秋に日本へ帰国することを決めました。日系企業で様々な問題を抱えながら働いた3年、ビーチ沿いでのんびり過ごした1年、計4年間のタイ生活を終えようと思います。よって筆者によるタイ現地レポートは今号が最後となります。次号については他のタイ在住者に執筆していただくことになるかと思います。これまでご覧いただき誠にありがとうございました。日本もそうですが、これからタイもさらに外国人観光客を誘致しようと観光地もいろいろと変化があると思いますので、引き続きタイ現地の様子をお楽しみ下さい。

ピピ島、ロングビーチ