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レベニューマネージャーの仕事を一気通貫でサポート-メトロエンジン田中良介氏

他業界からも評価されるダイナミックプライシング
長期滞在の取り込みを叶える予約プラットフォームも展開

 ビッグデータからAIを活用して客室の価格設定を行うレベニューマネジメントツール「メトロエンジン」。レベニューマネージャーの業務を一括管理できることを強みに、既に50以上のホテルチェーンと契約を行っているが、ダイナミックプライシングの仕組みが評価され、宿泊業界以外への展開も進めている。代表取締役CEOの田中良介氏に、システムの特徴や今後の戦略を聞いた。(聞き手:弊社代表取締役社長兼トラベルビジョン発行人 岡田直樹)

田中氏。インタビューはオンラインで実施した

-まず、会社の概要とご自身の紹介をお願いいたします。

田中良介氏(以下敬称略) 2013年まではサラリーマンとして、投資銀行やロンドンにある米系投資ファンドなどで働いていました。その後独立し、通信・システム系の会社の共同代表に就任。インバウンドが盛り上がり始めた時期だったこともあり、民泊の管理ツールも手掛けました。そこから民泊事業を切り離して2016年に設立したのがメトロエンジンです。

 当初は民泊の管理ツールを作ることを主体としていましたが、民泊のダイナミックプライシング機能を持ち合わせたシステムを作るうち、ホテルやレンタカー会社などからもダイナミックプライシングのシステムを作ってほしいと声をいただくようになりました。現在は民泊に限らず、ダイナミックプライシングをメインとする会社として、いくつかの分野でシステムを提供しています。比率として大きいのは宿泊施設向けの事業です。

-他社のシステムと比較して、優位性はどこにあるのでしょうか。

田中 まず「競合の価格を見ているかどうか」です。各社の仕組みを全て把握しているわけではありませんが、8社ほどあるレベニューマネジメントシステムを提供する会社のうち、恐らく半数ほどは、競合する宿泊施設の価格を見ずに値段を付ける仕組みを取っています。私は、宿泊者が意思決定する際には周囲の価格も当然見るものだと考えているので、同様の考えの施設からは、競合の価格を見ない半数のシステムよりも支持してもらえると思っています。

 残りの半数に関しては、定量的な評価は難しいのですが、レベニューマネージャーの仕事の周辺業務を含めて効率化できるという点での優位性があると考えています。レベニューマネージャーの仕事は、レベニューマネジメントだけでなく、口コミを見たり、競合の価格調査をしたり、稼働状況を把握したり、多岐に渡ります。メトロエンジンは、口コミ管理の機能や競合の価格を調査できる機能なども備えているため、そのためのツールを別途契約する必要がありません。システムを1つに集約でき、コスト面のメリットも他社よりも高いと思っています。

-例えば規模の大きな宿泊施設でも、1人で管理できるようになるでしょうか。

田中 1人で、とまでは言えませんが、かかる時間は圧倒的に削減できます。なかには当社のツールを導入して全自動化し、レベニューマネジメントに人を置かないという宿泊施設もあります。宿泊プランを作るなど、細かい業務の自動化はできていませんが、広い意味でのレベニューマネージャーの仕事は他のツールよりも安価に減らすことができると考えています。

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