【シンガポール現地レポート】Dear Japan シンガポール人は早く日本に行きたくてたまりません。
シンガポール在住11年目の石原真です。今年はシンガポールの現地レポートを4回に分けてお送りしています(第1弾はこちら、第2弾はこちらから)。気付けば本レポートも第3回目になり、いつの間にか2022年の後半に突入しました。前々回の現地レポートから6ヶ月が経っていますので、本レポートの前半はその後のシンガポールの様子をお伝えし、後半はトピックを変えて「シンガポール人が訪日旅行に求めるもの」をテーマに私見で語ってみたいと思います。
国民の4人に1人はコロナ感染済み
コロナが初めて世界的に拡大した2020年はコロナ封じ込めに成功している国と優等生扱いされていたシンガポールも、7月現在では外国人居住者も含めた総人口の約25%(約150万人)が既にコロナに感染している統計が出ました。シンガポール政府がワクチン接種を盾に大胆な規制緩和を実施し、コロナと共存の道に舵を切った結果、感染者数は急激に増加しました。しかし、ブースター接種(ワクチン3回目)率も約8割を達成したおかげで重症者数や死者数の割合は比較的抑えられている為、コロナと共存し経済回復を目指す方針は今のところ大きな混乱もなくシナリオ通りに進んでいると評価できると考えています。
前回のレポートでも少し触れましたが、観光目的の渡航でも4月1日より隔離なしで入国できるようになり、その後4月26日にはさらにもう一段階踏み込み、ワクチン接種者(最低2回以上)は自国出発前とシンガポール到着後のPCR検査も撤廃されました。シンガポール入国に際し、ワクチン接種証明書取得や電子入国カードの事前提出などの多少の事務的な準備は必要ですが、手続きはほとんどオンライン化されていますし、ほぼコロナ以前のように気軽にシンガポール出張・旅行ができるようになっています(最新の入国条件の確認はこちら)。
また、東南アジア近隣諸国のマレーシアやインドネシアも同様のタイミングで水際対策を緩和した為、今では街中で旅行客を見かけるようになりました。コロナ以前の水準にはまだまだ及びませんが、明らかにシンガポール旅行業界の回復を肌で感じられるようになりました。
上記のグラフは今年1月から5月の国籍別シンガポール入国者数を表しています。入国者は前年比で800%、宿泊を伴う入国者は2300%と、急激な回復傾向にあります。とはいえ、コロナ前の2019年は、入国者と宿泊を伴う入国者はそれぞれ年間約1900万人と1400万人でしたので、これでもまだ約10%です。完全回復までは道は長いですが、確実に上昇ムードであるのは間違いありません。
次ページ >>> 人材不足が緊急の課題に