フィジーがメガFAM、直行便再開で日本市場へ期待高まる
ロケ地訪問や環境保全、幸福度までリゾート以外のテーマも多彩
本島ならではのコンテンポラリーな快適なリゾートステイ
FJの日本への帰路が14時15分発のため、離島からの戻りには後泊が必要となる。空港まで30分、港まで10分とアクセス良好なリゾートエリア、2.5キロメートルあるデナラウの長いビーチ沿いの一画にあるヒルトン・フィジー・ビーチリゾート&スパは、コンドミニアムスタイルのコンテンポラリーなリゾート。各施設は道沿いに一列に並び、敷地内は循環するカート車で移動する。
大人専用レストランからデリまで飲食の選択肢も豊富で、330室あるすべての客室にガウンとスリッパを備えるほか、深いバスタブが全室にあるのは日本人には嬉しい点。キッチンや洗濯機が備わる部屋、キッズクラブがある一方で大人だけのエリアも設けている。シアター形式で240人収容の宴会議室もあるのでビジネスやイベントにも対応と、オールマイティーな受け入れとヒルトンというブランドでおすすめしやすい。
目の前のビーチは黒砂でスノーケリングには適さないが、カヤックやパドルボートなどは無料ででき、港から離島への訪問も可能。リゾート内にあるスパは施術の場所をプールサイドのパビリオンか室内か選べ、トリートメントのほかジンジャーリリーやプルメリアの香りのフィジー産オイルによるマッサージが受けられる。また、ロビーにはお土産店のジャックスがあるほか、車で約10分のナンディの町やマリーナなどまで出発日の午前中に出かけて買い物することも可能だ。
幸福な国フィジーからのラブコール
最終日には現地サプライヤーとのネットワーキングが開催され、フィジーを日本市場にアピールするにはどうすべきか意見交換がおこなわれた。サプライヤーからは、90年代のフィジーにとって日本は豪州、米国に次ぐ市場であったこともあって受入体制が整っており、直行便再開をきっかけとして再び日本市場を受け入れるようとする意欲の高さが示された。
日本側からは各リゾートに日本人スタッフがいると売りやすいとの意見や、FJの料金設定や運航時間への要望などが出された。実際、直行便の影響は大きく、2019年10月までの1年間でフィジーへの日本人訪問者数は1万4953人と同期比4割増を記録。FJでは来年2月7日から新しいA330−200型機を投入、7月から3ヶ月間は1便増の週3便となることを発表している。
フィジーの魅力についてフィジー政府観光局日本事務所で旅行業界担当マネージャーを務める瀬戸敦子氏は、「ホテルのバラエティ、充実したアクティビティ、フィジーの人」と断言する。対応できる客層の幅が広く、どこに行っても共通するのがフィジーの人の温かい人柄に触れられること。かつて好戦的だったフィジーの人たちはキリスト教伝来以降、信仰心の厚い国民へと変貌、いかにハッピーに生きるかという信条へ変わっていったのだという。幸福度で世界1位にランキングされるフィジーの特徴を生かし多様化する需要に対応することができれば、再びフィジーが注目される可能性は大きい。
取材:平山喜代江