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日系2社に聞く、国際提携戦略の現在とアライアンス論(JAL編)

8.10ペーパー失効受け積極的に提携拡大
アライアンス外やLCC、中小航空会社とも

-今後の国際提携の見通しをお聞かせください

野田氏 野田 JLの空白地域としてはアフリカがあり、現在はカタール航空(QR)のドーハ以遠6路線と、キャセイパシフィック航空(CX)の香港以遠1路線でのコードシェアにとどまっている。しかしワンワールドは昨年12月に、14社目のメンバーとしてロイヤル・エア・モロッコ(AT)を迎え入れることを発表した。20年以降の加盟に向けて準備を進めているところで、正式に加盟すればATとの提携によってアフリカへのネットワークも拡充できるだろう。

 また、地方からの路線についても国際提携を強化する。ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)が今年の3月末に開始した関空/ロンドン線、フィンエアー(AY)が12月か開始する新千歳/ヘルシンキ線にJLのコードを付与することで、ネットワークを充実させる。

-国際提携において大切なことは何でしょうか

野田 提携の拡大にあたっては、安全性が担保されていることを前提に、しっかりとJLのお客様に受け入れられる品質であることが大切で、すべての機内や空港で満足していただけることが重要になる。そのためにはパートナー企業との信頼関係が不可欠で、丁寧なやり取りを心がけていかなければいけない。Win-Winの関係を維持することが大原則になるだろう。

-アライアンスのあり方は今後、変化していくとお考えですか

 全世界でプレゼンスを発揮するための基盤として、アライアンスの存在意義は変わらない。先般の中国南方航空(CZ)のスカイチーム脱退表明のように、多少の変化はあるかもしれないが、3大フライアンスの動きは今後も大きくは変わらないと思う。

 ワンワールドについては、今年2月で20周年を迎えた。新しいブランドを打ち出して、先進的なイメージを訴求しているところだ。準会員制度の「ワンワールドコネクト」を設けたことで、今後の新メンバーは中小規模の航空会社が中心になるだろう。

 「ワンワールドコネクト」のメンバーは、すべてのワンワールド加盟会社に一部のベネフィットを提供するとともに、スポンサー会社とはより広い範囲のベネフィットを共有する。たとえば、FJはワンワールド創設メンバーのアメリカン航空(AA)、BA、CX、カンタス航空(QF)がスポンサーで、それらの航空会社とは空港ラウンジの共用やマイレージ提携など広くベネフィットを共有するが、それ以外の会社にはチェックインカウンターの優先レーン利用、ゲートの優先搭乗などのみ提供する。JLも今後は、スポンサーとして特定の航空会社をサポートしていくことを考えている。

 一方で、今後はJVの動きがさらに活発になるだろう。例えばJLは太平洋路線でAAと、ヨーロッパ路線ではAY 、BA、イベリア航空(IB)とJVを実施しているが、AAはBAと大西洋路線でJVを進めている。それぞれのJVでベストプラクティスを構築し、それをワンワールドの各メンバーに取り入れていく流れが強まると思う。

-ありがとうございました