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日系2社に聞く、国際提携戦略の現在とアライアンス論(JAL編)

8.10ペーパー失効受け積極的に提携拡大
アライアンス外やLCC、中小航空会社とも

-近年開始した提携について、個別の進捗状況を教えてください

野田氏 野田 直近では、15年から包括的業務提携に向けた検討を進めてきたインドのFSCのヴィスタラ航空(UK)と、2月28日にインド国内線の一部でコードシェアを開始した。UKはインドでは収益性の高い航空会社として知られており、ゆくゆくはJLのインド線でもコードシェアの実施を計画している。

 また、2月26日には、昨年6月に「ワンワールドコネクト」という新たな準会員制度の第1号メンバーとしてワンワールドに加盟したフィジーエアウェイズ(FJ)とも、成田/ナンディ線とナンディ/香港、シンガポール線でコードシェアを開始した。

 ハワイアン航空(HA)とは昨年3月にコードシェアを開始し、10月にはマイレージ提携を始めた。また、6月にはJVの許可を日米の航空当局に申請しており、現在は認可を待っている段階だ。

 ベトナムのベトジェットエア(VJ)とは昨年10月にコードシェアを開始した。VJはLCCとFSCの中間の「ニューエイジキャリア」を自称している会社で、上級クラスの座席として「スカイボス」を設けており、JLのお客様は同クラスを利用する。お客様には事前にご案内しているため、戸惑いの声などは上っていない。一定のサービスレベルを確保し、JLのお客様がJL便を補完するために選択できる商品を提供しているのであれば、FSC以外でも提携先として否定することはない。

-ワンワールド以外のアライアンスに属する航空会社との提携にも積極的ですが

ワンワールド加盟会社のネットワーク(クリックで拡大)野田 ワンワールドではカバーできない空白地域や、接続が限定されている地域では、他のアライアンスの航空会社との提携も必要になってくる。現在は売上高上位20社のうち18社はいずれかのアライアンスに属しているので、ネットワークを拡大する上では必然的に、いずれかのアライアンスに属している航空会社と提携することになる。

 例えば17年11月には、スカイチームのアエロフロート・ロシア航空(SU)と包括的業務提携に合意した。両社の運航する東京/モスクワ線とJLが運航する日本国内線および日本以遠の国際線、SUが運航するロシア国内線でコードシェアを実施する予定で、現在は開始のタイミングを検討しているところだ。JLは、ワンワールドメンバーで同じロシアのS7航空(S7)とも提携しているので、その辺りの調整も必要となってくる。

 また、同じくスカイチームのガルーダ・インドネシア航空(GA)とも昨年9月に包括的業務提携に合意し、翌10月にコードシェアを開始している。GAはスターアライアンスの全日空(NH)とも提携しているが、JLのお客様の利便性を考えた上で提携に至り、将来的にはJLとのJVも視野に入れている。このほか、スカイチームの中国東方航空(MU)とは、02年から日中路線でコードシェアを実施しているが、昨年8月には19年度中にJVを開始することで合意した。