ジンエアー、「日本地域本部」新設で加速する販売戦略
旅行会社との関係強化でプレゼンス向上
大型機B772活用でさらなる需要獲得へ
-具体的にはどのような取り組みを進めていますか
一柳 一般的にLCCのビジネスでは直販をメインに据え、流通コストを抑えて収益を得ており、直販が9割を占めるLCCもある。しかし直販主体ではシェア争いはできても、市場開拓や需要喚起は難しいので、やはり旅行会社の力を借りる必要がある。そこでLJは、販売面では旅行会社経由の販売を重視し、マーケティング面では若い女性をターゲットに据えることとした。
LJは、市場や旅行会社への向き合い方については基本的にFSCに近いが、FSCは路線展開などにおいて、より複雑な要素が絡む。その点、LCCは路線展開もシンプルで、営業やマーケティングも基本方針が定まればシンプルに取り組める利点があり、個人的には非常に面白いと思っている。KEの支店長を務めていた頃と比較して、取り組みが成果に反映されるのがとても早い。
-結果はついてきていますか
一柳 旅行会社との取り組みを強化した結果、日本での直販率は他のLCCよりも大幅に少ない30%程度にまで下がった。一方で、販売実績は16年が前年比516%増、17年が113%増、18年が105%増と急増を続けており、LJにおける日本販売のシェアは15年には7%に過ぎなかったが、18年には35%まで拡大した。
旅行会社との関係については引き続き強化する。これまでは旅行会社にIT運賃によるブロック座席を提供して旅行商品の造成を促してきたが、今後は旅行商品の共同プロモーションにも注力する。例えば、この3月からは阪急交通社の「トラピックス」とのタイアップで新聞広告を展開するなど、韓国旅行需要の掘り起こしと同時にブランドマーケティングに取り組んでいる。
-新たに日本地域本部を新設したねらいは
一柳 より大きな視野で日本市場を拡大し、効率的な販売体制を築くことがねらいで、国内6支店の取り組みや情報などを集約しながら、リアルエージェントやOTAとの交渉、チャーター便運航に関する意志決定を迅速化する。また、ブランディングとマーケティングも強化し、イメージアップやLJ利用商品のサポートに力を入れる考えだ。いずれにしても、日本国内では旅行会社との関係強化を最も重視する。